先日、ECMJが常務理事を務めている「BPIA(ビジネスプラットフォーム革新協議会)」の例会(朝会)に参加したところ面白いお話が聞けました。
*テクノロジーは30年経って「ホンモノ」になる
この回の例会で講師としてお話してくれたのは東京大学大学院の森川先生でした。全般としては「世の中のデジタル化」について紹介してくれたのですが、その中に興味深い一節がありました。
歴史を紐解いてみると、新しいテクノロジーの登場とそのビジネス活用の一般化には「ある程度の差」があるというんですね。新しくて便利なテクノロジーだからといって、すぐに商用化され商品化され、あらゆる人たちが活用するようになるわけではなくて、そこには必ずタイムラグがあると。
たとえば過去の「蒸気機関」というテクノロジーの登場も有名な「蒸気機関車」として活用されるまではある程度のタイムラグがあったというんですね。1930年頃の電力や自動車のバブルも、一旦のバブルを経験して「30年くらい経って」やっとビジネス活用が「ホンモノ」になったといえる状態になったとのこと。
IT/ICTのバブルというと2000年、2008年なので、実は「ホンモノのデジタル化」にはまだ時間を要するのではないかと、そういう話。現在は情報のタームが短くなっているので30年はかからないかもしれませんが。
*30年の時間がかかる理由は「人」と「組織」
ここからは私見も入るのですが、この「30年」という時間を要する理由は「人」と「組織」の変化の時間ではないかと思うんですね。新しいテクノロジーが登場したとしても、それを現状の「人」に慣れさせ「組織」に受け入れるためにはある程度の時間がかかる。
当然ながらビジネスは「新しいテクノロジーが生まれる前のテクノロジー」を前提として組織形成されていたり、人財育成されているわけで、はっきり言うと「それは変えられない」ということだと思うんですね。だって30年って、35歳のバリバリ働いている人が定年するほどの年月じゃないですか。結局は「人」と「組織」の時間をかけた新陳代謝が世の中を変えていく、と。
ただ、逆にいえるのは、時間が経てば着実に確実に「人」も「組織」も変わっていくということだと思うんですね。
*ECMJの引き合いが増えている理由
すいません。ここからは自社(ECマーケティング人財育成)を事例にした話です。去年、今年とECMJのビジネスが着実に進捗しているように感じるんですね。なにより、コンサルティングを依頼したいといってくれる会社さんや、協業を依頼してくれる会社さんが増えています。
このECMJという会社は2011年に創業して8年経っているわけですが、8年前とはECMJのビジネスに対する理解と興味が段違いなんですね。昔は正直にいうと「あまり意味と価値を理解してもらえない」ということを感じることが多くありました。もちろん半分はECMJ側の「伝え方」が悪かったのが原因だと思います。
ここで言いたいのはECMJが軌道にのってきたとか、時代が追いついてきたとか、実力がついてきた、とかカッコいいことではなくて、むちゃくちゃシンプルに「周りの皆さんも8年間歳をとって、偉くなった」単にそれだけなんじゃないかと思うんですね。数年前から知り合いだった皆さんが、偉くなられて決裁権を持ったり、自由に動けるようになった、みたいな。ECMJの実力とかそんなんじゃなくて。
*細くても長く続けること、人と良いお付き合いをすること
そう考えるとですよ。ビジネスの本質というのは「細くても長く続けていくこと」と「人と良いお付き合いをすること」のふたつしかないように思えるのです。時代やタイミングが上手くハマって会社が伸びまくり、上場まで一気に突破できる会社もありますが、90%以上のケースがそうではないわけです。
ECMJの場合、BtoBなのでお客様は法人なのですが、BtoCのビジネスにおいてもお客様との関係で同じようなことが言えるのではないでしょうか。「将来のお客様」ときちんと付き合えてますかね。