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売上が3倍になっても、実力が3倍になったわけじゃない【no.1729】

 前回(4/25)のコラムでゴルフレッスンの話をもとにした「上手くいかない理由のほとんどは単なる『勘違い』」という話を書きました。

 2011年にECマーケティング人財育成という会社を創業してから、いろんな会社さんの相談を受けてきましたが、インターネットマーケティング・デジタルマーケティングを「やっていて」も「成果につながらない」理由は、ほとんどの場合は「単なる勘違い」だと思うのです。

 売上が伸びた会社、売上が伸びない会社、アクセスが多い会社、アクセスが少ない会社があり、その違いを「実力があるかないか」で語る人もいるように思うのですが、人の実力なんてものはそれほど差はなく、「ちょっとした勘違い」が成長を阻害しています。

 「えー、そうだったのー」みたいな。

*インターネットマーケティングでよくある「勘違い」

 わかりやすい例でいうと、インターネットマーケティングのよくある「勘違い」として、「トップページの更新を頑張り続けている」というものがあります。WEBサイトのトップページは実店舗における入り口のようなもの。そして会社におけるエントランスのようなものなのですが、実はインターネット上のユーザー(お客様)ってあまりトップページを見ないんですね。

 実際にはインターネット経由で個々のサービスページや商品ページ、コンテンツのページに直接やってくることが多いですし、そう考えるとWEBサイトの全ページに固定表示されている「ヘッダー」や「サイドナビ」の改善を頑張った方がいいんですね。でも実店舗や会社の「窓口」的なイメージをトップページに持っていると、「良かれ」と思ってトップページの更新を頑張っちゃうんですね。

 相談をいただいた会社さんにこの話をすると「あー、そうだんたんですね!」と目からウロコが落ちたようになることもある。もちろん、まったく意味を理解してもらえないこともあります。たいていの場合は「勘違い」が修正されることになります。

*デジタルマーケティングでよくある「勘違い」

 デジタルマーケティングの世界、そしてあらゆるモノがデジタル化されていく時代のこれまでとまったく異なる価値観が「やることを考えるより、やったことを評価する方がいい。綿密な計画を立てず、変化に応じてアジャイル式の行動していった方がいい」という考え方ではないでしょうか。デジタル時代の逆をアナログ時代とするならば、アナログ時代とはまったく逆の発想です。

 デジタルマーケティングの特徴はデータという「定量的」かつ「客観的」なツールを使って、自らの行動を微修正することができるところです。「定性的」かつ「主観的」に会議室の中で「この方法がいいのではないか、それともあの方法がいいのか」と喧々諤々するよりも、実際に行動をおこしてみて「定量的」かつ「客観的」な評価を得、それに応じて内容をスピーディーに修正していった方が事業の成功が近くなるのです。

 ただ、この考え方もこれまでの価値観ではありませんし、学校で教えてくれることでもないですから、「えー、そうだったのー」ということが良くある。自分たちで「しっかり検討する」ことをある種の「美徳」と考えている部分もあります。もちろん、まず「自分で考える」は基本です。

*売上が3倍になっても、実力が3倍になったわけじゃない

 ECMJがコンサルティングを行わせてもらうと、こういった「ちょっとした勘違い」が着実に修正されていきます。リソースを投入する場所が明確になり、売上倍、3倍、5倍といった結果につながっていくわけです。ただ、ECMJでは売上が伸びた会社さんにこう伝えることにしています。

 「売上が3倍になっても、実力が3倍になったわけじゃない」んですよ。逆にいえば、「いまより売上が3分の1だったときも、実力が3分の1だったわけじゃない」んですよ、と。

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