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Eコマースでも「良い顧客リスト」をつくることを目指そう【no.1649】

 世の中のほとんどのビジネスは「お客様の認知があって、お客様がリピートしてくれるからこそ」成り立っている。

 過去にサービスをしてもらったお客様がそれを覚えていてくれてもう一度サービスを利用してくれたり、どこか知人・友人の紹介やら広告やらでサービスを知ったお客様がサービスを利用してくれたり。基本的に「毎回新規のお客様を集めるために毎回広告をかけて毎回集客をして」みたいなビジネスは無いし、成り立たない。

 近しいものだと「不動産」というビジネスがあり、ほとんどの人にとっては「リピートの無い」一生に一度の大きな買い物になるわけなんだけれども、不動産ビジネスでも「お客様の紹介」は非常に重要な要素だし、「プラウド」などサービスのブランドをつくることもビジネスの成長に寄与している。

 さらにいえば、「詐欺」みたいなブラックなビジネスも実際は「一生に一度」の新規顧客だけを相手にしているわけではない。詐欺の世界では過去に詐欺に引っかかったお客様のリストが売り買いされており、詐欺師だってそのリストを元にして営業をかけているわけだ。不動産、詐欺という「新規顧客」を対象にしていそうなビジネスでも実際は「完全新規」だけでは成り立っていないってことですね。

 そう考えると、はじめの話に戻るのだけれどもビジネスっていうのはいかに良い「顧客リスト」をつくるか、ってのが成功のキーポイントになる。日々の厳しい戦いの中でも一年二年と継続していくことで意味があるのは、少しずつでも「自分のビジネスを知ってくれる」人が必ずしもお客様候補でなくても(お客様になるかならないかは最後までわからない!)積み重なっていくこと。これが継続の価値。

 前置きが少々長くなってしまったのだけれども、そう考えると「顧客リスト」をつくれない、つくらせてもらえない可能性のあるビジネスっていうのは非常に不安定で選択しずらいものにある。あまり大きな声ではいえないので、小さな声でいうとEコマースの某プラットフォームのことね。

 私がEコマースの業界に入ったのは2005年。当時は客様のメールアドレスを自社で保有することが可能だった。活用するかは別としてね。まあ規約として活用はできないんだけれども。それがお客様へのメールはプラットフォームを通さないと送信できなくなってしまった。お客様から直接問い合わせの電話がきて「●●@gmail.comで登録したんですけど!」といわれても、ネットショップ側からはそのアドレスで検索することができないのね。

 またネットショップで購入してくれたお客様の顧客リストへのメールマガジンの配信も2005年当初はフリーだったのに回数が絞られたり課金されるようになったりしていった。ここもネットショップ出店側は完全にマヒしてしまっているところなんだけれども、プラットフォームで買ったお客様はプラットフォームのお客様であって出店者側のお客様ではないからね。さすがに一部緩和している部分があるわけだけれども。

 まあ他にも決済方法の選択肢が特定の銀行や特定のクレジットカードに寄せられていったりするわけです。今度は物流ですらプラットフォームに寄せるとか。ここでのポイントは、出店者側の負担だけを徐々に強めていって購入者(お客様)のメリットを強めている点です。商売ってのは三方よしでないと成長しません。二方よしか一方よしになってしまっている。お客様が「よし」と思っているのかは正直わかりません。

 そろそろ本気で「顧客リスト」をつくるってことを本気で考えた方がよさそうです。地主は小作人を絞り続けるのみ。だって、日本の経済自体がシュリンクしてるんだもん。これも小さな声で。やっぱりショッピングモールは集客手段のひとつとして活用するのがベターです。

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