「転換率(コンバージョン率)」について考える。五回目です。(前回はこちらです)
前回のコラムでは「お客様のセグメンテーションと転換率」について紹介をしました。そもそも転換率はどうやって決まるのか、そしてその要素。インターネット広告経由の転換率分析がECのマーケティングにおいて重要になる理由。インターネット広告経由のアクセスが注文に至るまでの一本道。などなどについて解説をしました。
今回のテーマは「インターネット広告をケースにした転換率の改善方法」です。
*お客様が「買わなかった」理由として考えられるもの
前回のコラムの最後に「広告経由のアクセスと注文までの流れ」を紹介をしました。広告経由でアクセスするお客様がどういった経路をたどって注文まで至るか。その流れを「リスティング広告(検索連動型広告)での流れ」と「販促企画のバナー広告での流れ」のふたつのケースでクリアにしました。
リスティング広告のケース、バナー広告のケースは各々「自分の興味があるものを検索エンジンでキーワード検索する(リスティング広告)」「自分の興味がある販促企画をクリックする(バナー広告)」というように入り口こそ異なるものの、インターネット広告が表示されてからの
【リスティング広告】
「検索結果にリスティング広告が表示される」→「お客様が広告をクリックする」→「(自社オンラインショップの)広告専用のページに遷移する」→「購入を検討する(サイト内を回遊する)」→「決済情報、配送情報を入力し注文を完了させる」
【バナー広告】
「(ショッピングモールの)企画ページの広告一覧画面に遷移する」→「お客様が(バナー)広告をクリックする」→「(自社オンラインショップの)広告専用のページに遷移する」→「購入を検討する(サイト内を回遊する)」→「決済情報、配送情報を入力し注文を完了させる」
この部分についてはほぼ一緒ということになります。仮にインターネット広告が10,000回お客様にクリック(つまりオンラインショップへのアクセスが10,000)され、そこからの注文完了が10件だった場合、転換率の計算式は「受注件数÷アクセス数」ですから、「10÷10,000=0.001」で転換率は0.1%ということになります。
*転換率はなぜ0.1%になってしまったのか?
あくまでサンプルとして紹介した0.1%という転換率の数字。オンラインショップの転換率としてはちょっと小さすぎる値です。ここで考えるのは「転換率がなぜ0.1%になってしまったのか」です。これを考えることが改善活動(=マーケティング活動)につながります。
「転換率が0.1%になってしまった」理由としていくつかのことが挙げられます。「そもそも商品が良くなかったのではないか」「説明文がわかりずらかったのかな」「コンビニ決済が使えないのはマイナス要因なのではないか」「インターネット広告がいまいちだったのかもね」社内のメンバーでブレストしてもらうといくつも「改善テーマ」を挙げることができます。
転換率の改善活動を進める上でふたつポイントがあります。ひとつは、この広告からの一本道の「対象者」を整理して改善策を考えること。もうひとつは、注文から逆算して「注文に近い動き」から改善を進めていくことです。このふたつを押さえると、「思いつき」ではない転換率の改善が展開されていきます。
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