「転換率(コンバージョン率)」について考える。四回目です。(前回はこちらです)
前回のコラムでは「転換率の分析方法」について紹介をしました。まずは「全体の転換率」を見ること。そして全体の転換率は絶対的な数字としてみるのではなく、「割り算」で計算されることを意識して高低を考えることが大切です。
そして「商品ページ別の転換率」をみることです。テコ入れによって転換率の改善が図れそうな商品ページが見つかるかもしれません。究極的には「アクセス数が増えても、転換率が下がらないページ」をつくることです。
今回のテーマは「お客様のセグメンテーションと転換率」です。
*そもそも転換率とはどうやって決まるのか
転換率は商品自体によって決まるわけではありません。商品をサイト上でどのように提案しているのかも関わります。決済方法や配送方法やキャンペーンなどのサービスによっても変わります。リピートのお客様が多ければオンラインショップの転換率は上がりやすくなります。新規のお客様が多ければオンラインショップの転換率は下がりやすくなります。
「どんなお客様にどんな商品をどのような提案で販売するか」。これによって転換率が変化していくわけです。同じ商品、同じ提案でも、対象となるお客様を変えるだけで転換率は変わります。ここを実践&データ分析&仮説検証して「こういったお客様にこういった商品をこういった提案で販売すれば高い転換率が期待できる!」に持っていけるかが腕の見せ所というわけです。
そういった点でいうと、「お客様ごと」の転換率のデータ分析として最初に取り掛かりたいのが「インターネット広告」経由のお客様の転換率です。
*広告経由のお客様の転換率分析が重要な理由
インターネット広告経由でオンラインショップ(LP:ランディングページも含む)にアクセスしたお客様の転換率分析が大切であるのにはふたつの理由があります。
ひとつは言わずもがなですが、インターネット広告には費用がかかっているからです。新規のお客様にリーチする方法は「インターネット広告」「検索」「メディア」の3つ。この中で「お金をかけて新規のお客様にリーチする」のはインターネット広告だけです。お金というコストがかかる「打ち手」ですから、その効果を高めていく必要があります。「広告費をひたすら増やす」わけにもいきません。
もうひとつは「インターネット広告の導線のわかりやすさ」にあります。広告導線のシンプルさが、転換率の分析のノウハウを高める材料になるというわけです。
*広告経由のアクセスと注文までの流れ
インターネット広告から注文までの導線の例を挙げます。まず、検索キーワードで広告を配信するリスティング広告(検索連動型広告)の場合。
「自分の興味があるものを検索エンジンでキーワード検索する」→「検索結果にリスティング広告が表示される」→「お客様が広告をクリックする」→「(自社オンラインショップの)広告専用のページに遷移する」→「購入を検討する(サイト内を回遊する)」→「決済情報、配送情報を入力し注文を完了させる」
二つ目。ショッピングモールで開催される販促企画のバナー広告の場合です。
「自分の興味がある企画をクリックする」→「(ショッピングモールの)企画ページの広告一覧画面に遷移する」→「お客様が(バナー)広告をクリックする」→「(自社オンラインショップの)広告専用のページに遷移する」→「購入を検討する(サイト内を回遊する)」→「決済情報、配送情報を入力し注文を完了させる」
となります。エントリーの部分は違えど、「お客様が広告をクリックする」以降は同じ流れです。導線が一本道でシンプルです。
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