「転換率(コンバージョン率)」について考える。三回目です。
前回のコラムでは「競合他店の転換率」は気になってもあまり比較にならないこと。比較をするなら「過去の自社の転換率」と現在を比較すること。そして転換率の数字を動かす要素について紹介をしました。
今回のテーマは「転換率の分析方法」です。
*まずは全体をみる。転換率(コンバージョン率)の「割り算」を意識する
まず自社のオンラインショップの転換率を把握しておくことが大切です。
数値管理表を通常業務に入れていれば、毎日転換率を確認することができます。月次の数値管理表を作成すれば、前月や前年同月との比較もできるようになります。
転換率の計算式は「受注件数÷アクセス数」という「割り算」です。「分子=受注件数」が大きくなることで転換率を上げることが目指す道ではあります。しかし「分母=アクセス数」が動くことでも転換率が上がったり下がったりします。受注件数が増えていても、それ以上にアクセス数が増えれば転換率は下がります。
転換率の全体感を見つつも、受注件数とアクセス数を確認しておくバランスが大切です。
*商品ページ別の転換率(コンバージョン率)をみる
全体の大局的な転換率を把握したら、次は商品ページ別に転換率を確認していきます。ECのシステムやGoogleアナリティクス、BIツールを組み合わせることで、商品ページごとの転換率が出せるはずです。
商品ページ別の転換率には傾向があります。アクセス数が多い商品ページほど転換率が下がる傾向にあります。そしてアクセス数が少ない商品ページほど転換率が上がりやすくなる傾向があります。ここは「分母=アクセス数」の関係上仕方がないところです。複合的な条件はあるにせよ「商品ページのテコ入れ」をした方が良い商品ページと「商品ページの露出」をした方が良い商品ページを見つけていきましょう。
商品ページ別の転換率は隔週ないしひと月に1回はデータ分析していきたいところです。1度確認しただけでは「転換率が高いのか、低いのか」を判断することができません。繰り返しデータ分析をおこない、前回のデータや前年同月のデータとの比較をします。そうすると「異常値」の出ている商品ページを掴むことができます。
*アクセスが増えても、転換率(コンバージョン率)が落ちないように改善する
前述したように商品ページはアクセス数が増えると転換率が落ちるのが普通です。アクセス数が多くなるとそれだけ一見のユーザーが多くなります。逆にアクセス数が少ない商品ページは商品を狙い撃ちで探している「濃度の高い」ユーザー割合が増えるので転換率が上がります。
商品ページ別の転換率のデータ分析をすることで探したいページがあります。それは「アクセスが増えても転換率が落ちない商品ページ」です。ECMJコラムでもよく登場している「ヒット商品の芽」です。「アクセスが増えても転換率が落ちない商品」はオンラインショップの導線になります。「商品を知って、ブランド(オンラインショップ)を知る」ための看板になります。
アクセス数が少なくて転換率が高い商品ページがあったとします。まずはWEBサイト内での露出を強めたり、メルマガのメインで紹介したりしましょう。半ば強引にアクセスを流し込んでポテンシャルを測るのです。もちろんインターネット広告を投下してみるのもアリです。
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