Eコマース事業を成長させるためのマーケティングのキーポイントとして勘違いされやすいのが、ツールやスキルやノウハウが大切だという考え方です。「インスタ映え」なんて言葉が流行りましたが、インスタグラムを頑張ったからといって売上が上がるわけではありません。
Eコマース事業のマーケティングの成功ポイントについて書いていきます。
*市場感、市場性
インターネットで売上が伸びていくのか、それとも売上が止まってしまう(もしくは上がらない)のかはEコマースの「市場感、市場性」が左右しています。多少テンションが下がる表現をしてしまうと「ネットショップを始めた時点で勝つか負けるかは決まっている」ということです。なので「負け組」のネットショップや商品・サービスをいくら「インスタ映え」させても売上につながらないのです。「市場感、市場性」がなぜ重要になるのか、それはEコマースというビジネスには商圏がないからです。海外の会社でさえ自社のネットショップの競合になります。Amazonなんかは正に、ですよね。
*「ネットの売り方」の原理原則
リアルビジネスのマーケティングとネットビジネスのマーケティングは全くもって考え方と概念が異なります。Eコマースを成長させるためには「ネットの売り方」の原理原則で仕事を進める必要があり、リアルビジネスの原理原則で仕事を進めると確実に負けます。「ネットの売り方」の原理原則とは「データを取って、毎日カイゼン」です。ECMJ流の他の表現をすれば「『なんで数字が変化したか』がわかれば、『どうすれば数字が変化するか』がわかる」ということです。インターネットのビジネスは「データ=成果」を軸にして回っていきます。リアルビジネスと最も異なるのが、データに対する考え方です。
*戦略、徹底するポイント
「市場感、市場性」「『ネットの売り方』の原理原則」を無事に通過したとしても「戦略」がズレていては売上にはつながりません。とくに中小企業がEコマース事業に取り組むとき「戦略から組織を構築する」ことは不可能です。どうしても「組織から戦略を構築する」ことが必要になります。「いまの組織にできる戦略は何なのか」「いまの組織でどう差別性をつくっていけるか」を考えることが大切です。ほとんどの会社ではスマートな戦略を組むことはできません。地味で手間で面倒なことをいかに積み重ねていけるか、です。そして中小企業のEコマースの場合、徹底できるポイントは「ひとつかふたつ」です。組織上、多くを求めることはできません。この「ひとつかふたつ」がイコール「戦略」になります。
*運用改善、ツール、スキル、ノウハウ
この3つがあってこその「運用改善、ツール、スキル、ノウハウ」なのです。逆にいえば「市場感、市場性」「『ネットの売り方』の原理原則」「戦略、徹底するポイント」の理解がいまいちな中で具体的な「運用改善、ツール、スキル、ノウハウ」を学んでもあまり意味がないんですね。「インスタ映え」についても「画像をインスタグラムにアップすること」「どんな角度で撮るといいか」なんかも大切ちゃ大切ですが、自社の商品やサービスとの兼ね合いを考えたときに「そもそもいまのやり方で差別性はあるのか」「どんなときにもっとも反応があるか」そして「その反応がどれくらい売上につながるのか」を考えた上で、「インスタをどこまで頑張る(徹底する)必要があるのか」を決めなきゃいけないわけです。
―――最後の「運用改善、ツール、スキル、ノウハウ」というのはそれこそ無限近くあって、これからもワンサカ新しいものがでてきます。「自分とは何なのか」をはっきりさせておかないと「始めた辞めた」の繰り返しになるので注意です。