ネットショップの運営を続けるのは楽しいことばかりではありません。むしろ「現実を知る」ことでへこんでしまうことの方が多いのではないでしょうか。なぜ「現実を知って」「へこむ」か。それは「毎日数字をみる」ことが土台になっているからなんです。
ネットショップは「きちんと運営をしている」担当者ほど、数字という現実とうまく付き合わなければいけません。
*日々の数字の変化をみることの弊害
ECMJが推奨している「実行数値管理表」。自社のネットショップ担当者で運用をしてくれている会社さんも多いかと思います。「実行数値管理表」を活用する目的は「日々の数字の変化を追うため」「日々の施策と成果の相関性を知るため」「異常値から市場環境の変化を知るため」などですが、この「毎日数字をみる」というのがプレッシャーに変わってしまうことがあります。
いままではあまり数字を気にすることなくネットショップの運営をおこなっていた。もしくは、週次や月次、気になったときに数字を確認していた。なんとなく数字と付き合いながらネットショップを回していたのが、「実行数値管理表」を使っていざ毎日ネットショップの数字をみるようになると、どうしても「自分の思ったとおりになっていない」という「現実」が目につくようになってきます。
人は自分と自分の成果に対する期待が大きいのです。毎日数字を見続けていると、さも毎日自分の点数を確認しているような気分になります。いままでは月に1回、自分の評価を顧みてたものが月31回になるわけです。へこまないわけがありません。
*成果は徐々にやってくる。劇的な変化はない
ネットショップの商材を全面的に変えたり、まったく異なるコンセプトにサイトをリニューアルしたり、ネットショップに大規模な集客が入ったりしないかぎり、ネットショップの数字が突然劇的に変わることはありません。毎日数字を見ていても、「喜び」よりも「失望」の方が多いでしょう。ただ、それは「きちんと毎日数字をみて、その理由を探す」というネットショップのセオリーを守っているからこそ起こることなのです。
ですので、「数字をみてテンションが落ちる、へこむ」というのはネットショップ運営者として成長をしている証拠です。
これを自分の心の中にきちんと留めた上でネットショップの運営を続けていく、とともに間違えてほしくないのは「実行数値管理表をつけること」「毎日数字を見続けること」の本質的な理由です。「実行数値管理表をつけること」「毎日数字を見続けること」の理由は先にも書いたとおり「きちんと毎日数字をみて、その理由を探す」ためです。けっしてネットショップを運営しているメンバーに毎日評価を下すという意味ではないですし、目標売上への到達具合を図るためではありません。ここに頭を持っていかないでください。
*数字との付き合い方をみつけること
「実行数値管理表」をつける、毎日数字をみることで「短焦点」になりがちな自分の目を正すことが大切です。昨日の売上はダメだった、今日はなんとか良さそうだ、明日は更新ができないのできっとダメだろう、など日々一喜一憂していては身が持ちません。毎日「原因と結果」を確認しつつ、長い目線でネットショップの売上やアクセス数をみていく「付き合い方」をみつけていきましょう。「気にしない」ことが大切です。
ネットショップの数字はあくまでネットショップの状態をあらわすものです。改善を加えて状態を良くしていけばいいのです。けっしてネットショップ運営者の評価ではありません。非常に良くないのは、「毎日数字を見続ける」のをやめてしまうことと、毎日数字に一喜一憂するだけで「大して改善を加えない」ことです。