ECのシンプルな原理原則~広告でレバレッジをかける~。物事をシンプルに考える。ECの売上の仕組みをシンプルに考えるの三回目です。
前回は商品の可能性の「見極め」について紹介しました。データ分析をすることで「どの商品より売れそうか」を見極めることができます。実店舗のマーケティングでも商品の可能性の「見極め」ができると解説しました。
売れそうな商品をヒット商品に育てることができたら、いよいよ外部の集客です。
*優良な「落しどころ」ができてから集客をかける
ECをスタートした時点ではアクセス数はゼロです。認知度のある実店舗やブランドがECサイトを立ち上げた場合はスタート時点からある程度のアクセスが見込めます。しかしほとんどは認知度ゼロからのスタートです。どんなビジネスでも同じ状態からスタートするのが普通だと思います。
ECを成長させるためにまず行いたいのはヒットする商品の可能性を見極めることです。商品に対するお客さんからの反応をデータで探る。そして商品の見せ方やサイト内での露出を変化させる。それによって商品の「最適な売り方」を探していきます。実店舗だとデータ分析はやりにくいですが「見せ方と露出」は改善できるはずです。
ヒット商品の候補を見極め、自社ビジネスでのヒット商品に育てる。そこまでできてから「お金をかける集客」をおこないたいものです。この「ヒット商品」こそ「落しどころ」ということになります。
*やってはいけないのが集客に在庫商品をぶつけること
集客というのはひとつのチャンスです。お客さんが一気に集まるタイミングで見せたいのは自社で育ててきたヒット商品です。しかし、いざ集客をかけるときに甘い誘惑がおそってきます。自社で在庫として残っている商品に集客を当てようとしてしまうのです。これは絶対にやってはいけません。それまでの「商品の可能性の見極め」も意味を無くしてしまいます。
広告をかけ、お客さんが集まってきて、自社内で在庫が残っている商品をみてもらう。在庫商品を買ってもらえれば売上はもちろん在庫金額も圧縮することができます。キャッシュフローが良くなりますし、次の在庫を仕入れることができます。また次のインターネット広告のための資本にすることもできます。でも、そんな甘い世界ではないんですね。売れない商品は売れません。
せっかくのチャンスに在庫を充てないようにしてください。新たな在庫を抱えてでも「ヒット商品」に集客を充てるのです。
*普通に広告をかけても利益は残らない
ヒット商品の候補を見極めない、見せ方や露出の改善をしない、データも見ないでインターネット広告をかけても利益が残ることはありません。これはリアルの広告でも一緒です。売上が広告費に至らないことさえもあります。新規顧客の集客や認知度拡大という言い訳すらできない大赤字です。
広告の「落しどころ」の商品は、自社のことを知らない初見のお客さんでも利用してくれるような商品です。基本的に集客をかければかけるほどお客さんからの反応は薄くなっていきます。「ヒット商品」はこれを超越する商品です。集客をかければかけるほど売れてしまう商品。商品自体がさらに新しいお客さんを呼んでくれるような商品だと最高です。
ユニクロの「フリース」や「ヒートテック」みたいな商品ですね。ちょっと話が飛躍しすぎですが、「フリース」が出る前にユニクロのこと知らなかった人、多いんじゃないですかね。
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