データ分析をアクション(施策)に繋げるための考え方。第四回です。
*原因には「内的要因」と「外的要因」のふたつがある
データは「結果」。結果には結果に至った理由となる大小さまざまな「何かしら」があります。まずは過去のデータと現在のデータを比較してその変化に気づくこと。そして、その成果(=結果=データ)がなぜ起こったのかを検証します。これが「成果検証」としてデータを活用することの第二歩です。
「結果」に対する「原因」です。結果に影響をおよぼす原因にはふたつのパターンがあります。ひとつは「内的要因」もうひとつは「外的要因」です。「要因」の部分は「原因」でも構いません。「内的原因」「外的原因」というように。「内的要因」「外的要因」という言葉はECMJが勝手に名付けていっているだけです。
*自分たちでコントロールができる「内的要因」
「内的要因」は事業を運営している自分たちがコントロールできることを指します。施策や打ち手、アクションなどという言葉に変えるとわかりやすいかもしれません。お客様に対しておこなった施策や改善策が「内的要因」にあたります。
ECであれば「メールマガジンを配信する」は内的要因にあたります。外的要因ではありません。「メールマガジンを配信する」という施策はもちろん内的要因です。そして「メールマガジンの件名を改善する」「いままでやっていなかった件名を試す」というブラッシュアップも内的要因にあたります。「内的要因」は自分たちの意思で変えられること、実践できることです。
*自分たちではコントロールできない「外的要因」
内的要因とは逆に自分たちでコントロールすることができないのが「外的要因」です。市場環境の変化や競合の動向などは自分たちではコントロールすることができません。自分たちのコントロールできないところでも、データは動いていくということなんですね。
「外的要因」は短期的なもの・中期的なもの・長期的なものに分けられます。
短期的なものの代表格がメディアです。テレビや雑誌に商材が紹介されたり、SNSでサービスが拡散したりするとサイトのアクセスや売上に大きな影響がでます。中期的なものの代表格はトレンドでしょうか。春夏秋冬という四季。おおむね2~3ヵ月で季節は移行していきますが、季節性のトレンドでニーズの潮流は変わります。そして長期的なもの。市場全体のユーザ数の増加などは長い時間をかけてジワジワ増えていくものなので普段は感じませんが結果には寄与しています。「川の流れ」というやつですね。
短期的・中期的・長期的なものとして紹介した「メディア」「季節性(トレンド)」「市場全体のユーザ数」ともに自分たちではコントロールしきることができません。これが「外的要因」です。
*「外的要因」はコントロールできないけれども
ひとつ押さえておきたいポイントです。紹介したとおり「外的要因」は自分たちでコントロールをすることができません。ただ「外的要因」が起こったときに「対策」をすることはできます。可能性としてありえる「外的要因」を予測しておき「対策」を考え準備しておくことで、「外的要因」に対応することができます。
たとえば、大地震はいつ起こるかはわかりません。今日かもしれませんし、10年後かもしれません。しかし「大地震が起きたときにどうするか」その対処を自分たちで準備しておくことができます。ビジネスの展開においても「外的要因」への準備で大きなチャンスをものにできるかが決まるのです。
「外的要因」はコントロールできないが、準備をすることはできる。覚えておいてください。
【合わせて読みたい】
データ分析をアクション(施策)に繋げるための考え方。その5【no.1562】
データで顧客を理解しアクションへつなげる分析思考力の基本【1】(データドリブンマーケティング通信さん)