「我慢をする、積み重ねる」みたいなことは、永遠に変わらない人間のテーマだと思うんですね。
*スポーツジムのランニングマシンの変化
最近、自宅近くのスポーツジムに通い始めました。ダイエットが目的なので、筋トレとランニングを小一時間ほどおこなっているのですが、久々に利用したランニングマシンの進化に驚きました。機会の中にデフォルトでテレビが内蔵されているし、世界の風景をみながらランニングの気分を楽しめる。おまけにソリティアをしながらウォーキングをしている方もいました。
もう15年程前になるのですが以前住んでいた街でもスポーツクラブに通っていました。そのときはまだランニングマシンにテレビは内蔵されていなく、外付けでいくつかのランニングマシンにテレビが設置されていました。他の会員さんとテレビ付きのランニングマシンを奪い合っていた記憶があります。小さな変化ですが、時代の移り変わりに気づくところです。
たしかにテレビをみているとランニングをしている時間が経つのも早い気がするのですが、だからといって継続的にスポーツジムを利用するかというと、それもちょっと違う気がするのですね。
*コインチェック社のニュースで驚いたこと
少し前になりますが仮想通貨取引所のコインチェック社が不正アクセスにより仮想通貨NEMが580億円相当盗まれるという事件がおきました。事件以降、NEMの価格は落ちていますのですでに580億円相当ではないですが、驚いたのはNEMというマニアックなアルトコインですら580億円相当売れていたという事実です。
直近のデータがないのではっきりとはわかりませんが、仮想通貨取引の仕組みや急激なユーザー数の増加を考えると、コインチェック社のアカウント年齢層は20代から30代が多いのではないかと思われます。パソコンやスマホに慣れている世代、ソーシャルメディアで情報をキャッチしている世代と考えれば、もしかしたら20代のユーザーがもっとも多いのかもしれません。
事実、昨年末までは「仮想通貨に手を出さないと勿体ない」という風潮がSNSには蔓延していました。「億り人」なんて言葉もありますが、ここで違和感があるのは「いとも簡単にお金が増える」と錯覚してしまう雰囲気です。
*吉野家の牛丼1杯無料の論争からみえるもの
ソフトバンク社がスマートフォン契約ユーザー向けに吉野家の牛丼1杯無料のキャンペーンをおこなっています。このキャンペーンにより吉野家周辺の道路が渋滞になったり、吉野家が数十分~1時間待ちになったりしているようです。この問題についてインターネットでは論争がありました。
一方は280円の牛丼のために1時間並ぶのはコスト感覚が間違っているという意見。そしてもう一方は並ぶこと自体もエンターテイメントなのだからコストの話を出すのは野暮だという意見。どちらが正しいも間違っているもないと思いますが、たとえ吉野家に並ばなかったとしてもその1時間を仕事に充てることは無いだろうということです。なので、おそらくコスト云々は別次元の話ということになります。
―――ランニングマシンの話、コインチェック社のNEMの話、吉野家のキャンペーンの話、別々の話を思うがままにずらずらと書きましたが、「時間をかける(=我慢をする、積み重ねる)」ことが人間には必要ではないかと思うのです。仮想通貨も牛丼1杯無料もどこから「目先」のメリットだけを気にしているように思えるのです。
人間の考え方が変わってきたのは、すべてインターネットと通信の成長による影響なのは間違いありません。こんな時代だからこそ、「時間をかける(=我慢をする、積み重ねる)」ことができる人間が信用されるのではないかと思うのです。