著者:石田 麻琴

着物レンタル(着物体験)は実は意外と儲かっている!?【no.1532】

 着物レンタル(着物体験)は実は意外と儲かっている!?

 先日、顧問先さんとのランチで着物レンタル(着物体験)の話になりました。どうやら浅草で新規の出店が相次いでいるらしいのです。

*着物レンタル(着物体験)とは何か

 着物レンタル(着物体験)とは外国人観光客向けのインバウンドサービスのひとつ。浅草を着物で観光しよう!みたいな、レンタルと着付けをやってくれるサービスです。ネットで調べたところ「着物体験」という表現をするのが主流のようです。

 おそらく外国人観光客のみなさんに「着物着てみたい!」ニーズがあるのでしょう。特に浅草は外国人観光客が集まる街ですから、よりニーズが強いのだと思います。浅草駅の周りに何店舗かあり「あれって儲かるんですかね?」みたいな話になりました。

*女性4,000円~、男性3,000円~、その他には

 「1回どれくらいの金額なんですかね」と話していたら、食事をしている中華料理屋さんにチラシがおいてありました。チラシに書いてあったのは「女性4,000円~、男性3,000円~」これが基本料金。おそらくこれが相場なのだと思われます。

 この基本料金に付与されるのがオプションです。WEBサイトを覗いてみると、「髪型のセット」「荷物の預かり」「写真撮影」「小物」などのオプションが。「荷物の預かり」が無料のお店もあり、観光客のツボをついているなと感心します。

*月商でどれくらいの売上になるのか

 あくまで推測ですが、着物レンタル(着物体験)の客単価は5,500円前後かなと考えます。基本料金のベースの4,000円を1.3~1.4倍にした金額ですね。オンラインショップの客単価もこれくらいになるのが普通。つまりベースになる商品単価の1.5倍以内ですね。

 あとは客数の予測がつけば月商がわかります。外国人観光客向けだとして、ひとりでサービスを利用する方は少なそうです。おそらく1組2人以上が通常になるとおもわれます。大人数の組もあるでしょうから、ひと組あたりの単価は15,000円ほどでしょうか。しかし1日でどれくらいの組数が入るのかは全く予想がつきません。

*月商から逆算するとどれくらい利益が残るか

 仮に1店舗の月商が300万円だとします。1か月の営業日が25日(週1回休み)として、日商が12万円。ひと組あたりの想定売上15,000円で割ると、8組でしょうか。休日ならともかくとして平日で8組は少し多い気がします。ただ外国人観光客に平日も休日もないでしょうからわかりませんね。

 利益を計算するために経費を考えてみます。店舗の家賃と人件費、ここは外せないところです。浅草ということもあり店舗の家賃はそれなりに高いでしょう。ただ簡単な着付けならばパートさんやアルバイトさんでも学ぶことができそうです。

 あとはレンタルする着物や小物の消耗サイクルです。新品必須でもないですし、状態が良ければ中古品でも問題ありません。初期の段階の投資がかかりますが、クリーニング次第で消耗サイクルは長いのかも。

*着物レンタル(着物体験)以外のレンタルは可能なのか

 商売としてポイントは商圏が狭いことでしょうか。着物を着て街を歩こう!という商売が成り立つのは浅草と京都くらいかもしれません。どうしても商売ができる土地とできない土地が決まってきそうです。ただ、ちょっと発想を変えれば「日本文化のコスプレ」なんですよね。アニメやゲームのキャラクターとかでも全然いけちゃうのかもしれませんね。そう考えると、秋葉原さん池袋さんで新しいサービスいかがでしょうか。

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