最近、自分もよく利用しているサービスがふたつ、サービス終了されることになった。
ひとつはスポーツナビの運営するブログサイト「スポーツナビ+」。もうひとつがサイボウズの運営するグループウェア「サイボウズLive」。「スポーツナビ+」は2018年1月末のサービス終了だが、「サイボウズLive」は2019年4月と少し時間がある。それだけ情報を蓄積しているユーザーが多いということなんだと思う。
*ブログプラットフォームのマネタイズとコスト
無料でアカウントを作成できるブログのプラットフォームの収益モデルは広告課金になる。
ブログ主であるユーザーにはアカウントを開設してもらい、定期的にブログで情報発信をしてもらう。ブログのアカウントやブログの更新数、文字数が増えるとインターネット検索からのブログプラットフォームへのアクセスが増える。また主に個人の中でもヒットするブログコンテンツがあればファンが付き、アクセスも伸びていく。SNSで拡散されればさらに閲覧数は伸びる。
アクセスが伸びれば、ブログプラットフォームの価値が上がり、より広告収入が多くなるという仕組みだ。基本的なマネタイズの方法はブログプラットフォームならどこでも一緒。もしかしたらスポーツナビ+に関しては「スポーツ」というセグメンテーションから、スポーツファンに向けての課金コンテンツを狙っていたのかもしれないが、結果的にサービス終了となってしまった。
ブログアカウント、ブログコンテンツが増え続けるとそれだけ情報を蓄積するためのサーバコストがかかる。もちろん無料のブログプラットフォームとはいえ担当者もつけなければいけない。「プロ野球死亡遊戯」や「幕下相撲の知られざる世界」などの人気ブログも生まれてきたが、絶対的に星の数ほどブログがある。個人的には「フシ穴の眼」というボクシングブログを追っていたので残念だ。
*無料のツールから有料のツールへの引き上げ方
サイボウズLiveのサービス終了を知って感じたのは、無料のツールから有料のツールへ顧客を引き上げることの難しさだ。サイボウズLiveは無料のグループウェアとしてはもしかしたら少々機能が良すぎたのかもしれない。
元々、サイボウズLiveの役割としてはエントリーツール。サイボウズLiveを利用することでグループウェアの有用性を知ってもらい、機能のより充実している有料のサイボウズに切り替えてもらうことを想定していたはずだ。サイボウズ社の「サービス終了のお知らせ」ページにも「有料版クラウドサービスに注力する」と書いてあるように、無料版から有料版の引き上げの手がイマイチ見いだせなかったのかもしれない。
おそらくサイボウズ社のマーケティングがミスをしたということではなく、原因はサイボウズLiveという無料サービスの充実度にあると感じる。私自身も有料版のサイボウズは使ったことがない(キントーンは利用している)のだが、サイボウズLiveだけでスケジュール管理、タスク管理、情報共有が事足りる部分があった。無料のツールにしては少々便利過ぎたのかもしれない。
*スポーツナビ+、サイボウズLiveが終了するならば・・
インターネットの世界はコンテンツ課金が難しい世界になっている。ブログの開設は無料、グループウェアも無料、アプリも無料、Eコマースだって無料のプラットフォームがある。それぞれにユーザボリュームを出した上でのマネタイズ方法を持っているはずだが、このふたつのサービスの終了をみる限りだと果たして他のサービスは大丈夫だろうか。
無料のサービスはいつか終わりがくる。そして無料のサービスで蓄積してきたユーザは自社の資産にはならない。やはり情報発信をするならば、自社のブログで、が安心なのだ。
おわり。