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リアル広告は「スマートフォン」と「SNS」を意識して効果を上げる【no.1465】

 広告の費用対効果を考えるとき、これから大切になるのは「スマートフォン」と「SNS」への対策です。特にリアル広告を活用する際には、「スマートフォン」と「SNS」を意識することでその効果が何十倍、何百倍に跳ねる可能性があります。

*広告の価格はどうやって決まるのか。

 まず広告の価格がどうやって決まっているかを考えてみます。広告の価格を決める方法として想定できるのは広告を閲覧する「人の数」でしょう。

 リアル広告、たとえば電車の中刷り広告を考えた場合、その価格は広告を掲示する場所と閲覧する人数で決定していると考えられます。テレビやインターネットなど、他の広告媒体があるとはいえ、電車に乗らない時代になったわけでもありません。もしかしたら電車の中刷り広告の価格は以前とそれほど変わっていないかもしれません。

*広告の費用対効果はどうやって決まるか。

 広告の価格の原理を考えた上で広告の費用対効果について考えてみます。

 広告の費用対効果は、広告の閲覧に対して「自社の商品が実売につながっているか」で判断できれば理想ですが、厳密に数値管理をすることは不可能です。「自社の商品のイメージアップに繋がった」「自社の商品の認知度アップに繋がった」くらいであればリアルの広告は合格点かもしれません。どれくらいのユーザー(候補)が広告をみてくれたか、それが費用対効果につながっています。

 電車の中刷り広告を「広告が掲示された車両に乗っている乗客」がみるだけならば、広告の費用対効果は「乗車人数」とイコールになってしまいます。これだと「広告費=乗車人数」という、広告の価格として設定された分のリターンしか得られません。

 ところが、広告について「乗客が自ら調べ」たり「乗客が情報を拡散し」たりしてくれるなら広告の効果は広告価格の何倍、何十倍、何百倍になります。リアル広告にチャレンジするならば、この何百倍を狙いたいところです。

*広告にスマートフォンが果たす役割。

 東京ドームのオーロラビジョンの真横に「財宝」という看板があります。青バックに白抜きで「財宝」と大きく書かれているだけの広告です。「財宝」というのは鹿児島県に本社がある「天然アルカリ温泉水」を販売している会社です。この「財宝」の看板には余計な情報が一切なく、インターネットで「検索される」ことを前提にしている広告の実例だといえます。

 東京ドームにきたお客様、テレビで野球中継をみているお客様は「財宝」という看板をみて「何だろう」と調べるわけです。インターネット、スマートフォンがない時代ならば「なんか変な広告があった」で終わりでしょう。お客様に興味をもってもらい、自ら調べてもらうことによって費用対効果を上げている広告といえます。

*広告にSNSが果たす役割。

 もうひとつ無視できないのがSNSの効果です。電車の中刷り広告をみるユーザーの数は限られていても、SNSを通じて広告をみるユーザーは無限大です。TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSにユーザーが「思わず投稿したくなる」広告にチャレンジするのはどうでしょうか。

 電車の広告というと数年前からつり革の広告(つり革の付け根が広告になっている)や車両全面プリントの広告、車輌全部をジャックした広告などが流行っています。広告の車輌にたまたま乗ったユーザーだけを対象にするだけなら爆発的な費用対効果は望めません。写真に撮りたくなる、人に伝えたくなる広告こそ、デジタル時代にマッチした広告だといえます。

 当然、広告の価格を決める側は「スマートフォン」や「SNS」の効果を加味してその金額を決めることはありません。そう考えると、「企画力」ひとつで広告が何十倍・何百倍の効果を上げる面白い時代なのかもしれません。

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