SEO対策・・って果たして何なのでしょうか?の第五回です。
前回は、SEO対策は「データをとって、毎日カイゼン」だということ、打ち手の効果のバランスをみながら改善を繰り返していかなければいけないマーケティング戦略であること、SEO対策への「すぐに効果が出る」「すべてのキーワードで検索上位にくる」という勘違いについて、これらを解説しました。
*スマートフォン対応をしないと、スマホ検索から消えるのか
2016年の4月頃、2016年の年末にこんな話がありました。「GoogleがWEBサイトをスマートフォン対応しないと、スマートフォンからの検索からWEBサイトを消す、もしくは大幅に順位をダウンさせるといっている」。仲間内の情報やWEB上の情報、もしかしたらWEB制作やSEO対策の業者からの情報で知った会社さんもいたでしょう。
実際に私も2016年の12月にECMJの顧問先の経営者からそんな話を聞きました。「所属している勉強会にSEO対策の専門会社がいて、その会社からの情報で『2017年の2月にスマートフォン対応ができていないWEBサイトは検索から消える』と聞いた、石田さんどうなのでしょうか?」という話でした。その顧問先は実際、その会社の勉強会にはいったようですが、コーポレートサイトのスマートフォン対応は結局やりませんでした。
現在、2017年の10月ですが、結果、スマートフォン対応をしていないWEBサイトはスマホ検索から消えたのか。消えてないですよね。
*Googleはすでに「公的な」会社なわけだから・・
WEB制作やSEO対策の業者さんからしばしばこういった営業が飛んできます。はっきりいって注意が必要です。Googleが発信している情報を「誇張」して営業戦略につなげようとしているだけです。結局2016年の4月以降も、2017年の2月以降も何も起きませんでした。
よく考えてみればわかることです。インターネットはすでに世界中の誰もが使うことができるインフラです。「検索」というその中心を担っているGoogleという会社はすでにその社会的なインフラの管理を世界から任されているある意味「公的な」会社なわけです。インターネットの一企業ではありません。Googleの意向ひとつで世界中のビジネスが変わってしまうほど影響力を持っています。
そんな会社が「スマートフォン対応ができていないWEBサイトはスマホ検索から落とす。もしくは検索結果から大幅ダウンさせる」なんて決定をするか、ということです。仮にするとしても、「1年後、3年後にやります」とある程度の期間のバッファをもって取り組むはずです。2016年の年末に発表して、2017年の2月に施行なんてことはありません。
世界的にプログラミングの授業がある程度確立され、WEBサイトをもっている個人・法人がある程度自社の中でWEBサイトの構築・改善ができる世の中ならともかく、大部分のWEBサイトはその制作・構築・管理・運用をどこかのWEB会社に委託しているわけです。本当に全WEBサイトがスマートフォン対応しなければならないとしたら、膨大なコストがかかります。個人事業の方の中には対応についてこられない人も出てくるはずです。
「スマートフォン対応できてなければスマホ検索から消える」そんな決定をすでに「公的な」会社になっているGoogleがするわけがありません。
*Googleだって、試行錯誤している
スマートフォン対応以前にも、何度も同じようなことがありました。2014年頃でしょうか。少し昔のことなのでうる覚えですが「オーサーランク」というものがありました。覚えている方もいるでしょう。WEBサイトのコンテンツ(情報)に対して「auther(著者)」を明確にすることによって、WEBサイトの信用性と評価を高める、という機能でした。
WEBサイトに「auther(著者)」を登録すると、Googleの検索結果に「auther(著者)は誰か」が表示されるようになり、検索を優位に展開することができました。こちらも皆さんこぞって「オーサーランクって知ってます?対応しておかないとヤバイですよ」と営業されていたのですが、Google側が数か月で機能の優先度を落としてしまいました。
Googleもより良いインターネット検索を目指して試行錯誤しているのです。一喜一憂しないことが大切です。
つづく。