SEO対策・・って果たして何なのでしょうか?の第四回です。
前回は、内部対策には「構造」的な対策と「コンテンツ」的な対策のふたつがあること、WEBサイトの「構造」的な対策は詰まるところユーザビリティ(ユーザーの使いやすさ)が関係していること、SEO対策の本当の提案とは何か、これらについて解説をしました。
*打ち手と効果のバランスを読んで改善を続ける
「被リンクを増やせば検索の順番が上がります」「メタディスクリプションを入れましょう」「https化すればSEOに必ず強くなります」。言っていることは間違っていませんが、特定の打ち手だけを提案し、あたかも「それだけをやれば結果がついてくる」ような「いわゆる」SEO対策は間違いです。
前回のコラムでも書いたように、同じ打ち手でも中身をどうアレンジするかでその成果は決まります。たとえば「メタキーワード」を改善するという打ち手。「メタキーワード」部分を入力しておきましょうということは基本として、ECMJであれば「ネットショップ コンサルティング Eコマース 教育 人材育成」と入力しておくことが正しいのか、それとも「Eコマース 戦略 マーケティング コンサルタント 東京」と入力しておくのが正しいのか、どちらの方が効果的なのかは誰もわかりません。
大切なのは打ち手と打ち手の中身に対して選択肢をたくさんもっておくことと、打ち手に改善を加えた場合にその効果が出ているか、インターネット上に表れる大きな振動だけではなく、効果の片りんといえる「小さな振動」に気づく方法(「実行数値管理表」のようなもの)を備えているのか、それが重要です。
SEO対策は「データをとって、毎日カイゼン」です。デジタルマーケティングの原理原則とまったくかわりがありません。そういった意味でも「SEO対策」という言葉はすでに「死語」であり、そこにあるのはインターネットのマーケティング戦略のみです。
*一般に広がってしまったSEO対策の勘違い
「コンテンツ」的な対策の話に入っていきたいところなのですが、もうひとつSEO対策の「勘違い」についてふたつ触れていきます。
インターネットのマーケティング用語でもっとも知名度があるのが「SEO対策」です。これは企業ホームページが一般化したときに、同時にSEO対策の営業が入ったからこそ「インターネットのマーケティング=SEO対策」という認知が広がっています。インターネットの興味が薄い人でも「SEO対策」という言葉は知っているはずです。これが今の「SEO対策=マーケティング戦略」とのズレをつくっています。
ひとつの勘違いは「SEO対策をするとすぐに自社のWEBサイトが検索上位に上がってくる」という勘違いです。すぐには検索の上位には上がってきません。SEO対策はその効果が出るまでに3ヵ月以上を要する「長期的な対策」です。ですから、手段ではなくマーケティング戦略なのです。短期間で検索結果への効果を感じられるのは、それは「検索順位が上がったから」ではなく「検索にヒットするようになったから」それだけです。
もうひとつの勘違いです。「SEO対策をすると、様々な検索キーワード、すべてのキーワードで検索上位に入る」という勘違いです。被リンク数でWEBサイトの評価が決まっていた時代ならともかく、半永久的にWEBサイトが増え、専門的なWEBサイトも増えている中で「どんなキーワードでも検索上位になることができる」なんてことはありえません。
たとえばECMJなら「ネットショップ コンサル」。このような特定の検索キーワードでの検索ヒットを増やすために長期的にWEBサイトの改善を繰り返していくのが今のSEO対策であり、マーケティング戦略です。「すぐに」「どのキーワードでも」というような勘違いは捨てましょう。
つづく。