Eコマース事業を成功させるためには「試すことをいとわない」ことが大切です。
*Eコマース事業の成功のポイントは「試す」こと
何かを決めるときに人は迷います。この道を進んで本当に結果が出るだろうか、出るとすればそれはいつになるだろうか。失敗が生死に関わるような仕事はまずないはずなのですが、「自分の心の中にある自分自身の存在」がボロボロになってしまうのが怖いのです。周りからどう見られるかや時間の無駄・資金の無駄は問題の中心ではありません。
だからこそ、いくつかの選択肢を用意したときに「どれが最適なのか」を追求し続けますし、他人に意見を求めたり、上司のアドバイスをもらったりして「成功に近そうな一手」を絞り、決断します。しかし悲しいかな。そこまで時間をかけたにも関わらず、いざ表に出してみると全く結果につながらなかったり、すでにマーケットが進んでいて市場が変化してしまったりしていることもあります。
Eコマース事業を成功させるためのポイントは「試す」ことです。施策の選択肢が5つあれば、期間や条件を分けて5つをすべてやってみる。これが基本です。自分たちで5つの選択肢を1つに絞りこむことをしません。5つの選択肢を1つに絞り込むのは「市場」の役目なのです。「最適なものを自ら判断しない」ことが大切です。
*複数の施策をおこなうからこそ比較ができる
なぜなら、Eコマースのマーケティング、デジタルのマーケティングはその成果が「データ(数字)」によって表れるからです。もちろんリアルのマーケティングも成果がデータに表れないわけではありません。ただ、実店舗のマーケティングよりもEコマースのマーケティングの方が、より詳細な成果のデータを取得することができます。5つの選択肢の判断は自分たちがするのではなく、データにしてもらえばいいのです。
ですから、Eコマースのマーケティングは気持ちの割り切りが必要です。「この5つの選択肢のうち、どれが最適かはわからない。だから全部をやってみる。その上でどれが最適だったのかの判断を下す」この気持ちで日々の運営を回していってください。
必然的にEコマースのマーケティングでは「試す」施策の数が多くなります。1つに絞っていたものが5つになるわけですから、単純に考えて仕事量は5倍です。結果が出なかったときのテンションの下がり具合も5倍になります。1回で済む後悔がもしかしたら5回になるかもしれません。それでも、5つの施策をおこなうことで取れるデータは5倍になります。さらに1つの施策だけではできなかったことができるようになります。データの比較です。複数の施策をおこなうからこそ「どれがベターだったか」の比較ができるようになります。
*我々の頭の使いどころは「仮説」を立てること
どのアイデアが良かったか良くなかったかの判断はデータが勝手にやってくれます。Eコマースのマーケティングにおいては、私たちは5つの選択肢を淡々とこなせばいいのです。ここに自分の感情を入れすぎると結果が怖くて身動きができなくなったり、施策が極端になってしまったりします。「成果はデータが教えてくれる」と思っていれば、ただ淡々と仕事を進めていくことができるでしょう。
我々の頭の使いどころは施策ではありません。Eコマースのマーケティングは5つの選択肢を1つにブラッシュアップするものではないのです。頭の使いどころは「仮説」を立てることです。いかに面白いデータ(お客様の反応やニーズ)を探すための「仮説」を立てられるか、ここに尽きます。
5つの選択肢を実践すると各々の成果となるデータが表れます。またデータには表れないお客様からの問い合わせだったり、お客様の購入パターンだったり、何か新しいことが起こります。5つの施策をおこなうことによって得られた「定量的なデータ」「定性的な事象」から、どんな「仮説」を立て、次の選択肢へとつなげるか。ここがポイントなのです。