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お客様のサービスの取捨選択は「デジタルの情報」だけで済む時代に【no.1411】

 お客様が会社にサービスの問い合わせをおこなうまでに、お客様の購入プロセスは60%進んでしまっている。先日参加させてもらった勉強会で聞いた数字の話です。

 インターネット、通信、デジタルデバイス、ソーシャルメディアなどが発達したことによって、デジタルの情報を軸にして購買を決定することが多くなっていることは想像の範囲だと思います。ただ、お客様の行動プロセスの60%が問い合わせを受ける前の時点で決まっているとは驚きです。いうなれば、お客様の半分以上は、問い合わせをしてきた時点でサービスを利用するか利用しないかを決めているということです。

 さらにポイントなのは、このデータが2014年のデータであるということです。さらに先の予測がすでに出ています。2020年にはさらに比率が高まり85%の購入プロセスが問い合わせ前に終わってしまうようになります。担当者の方を呼んで話を聞いてみよう、などということがほとんどなくなってしまうというのです。

 こちらはあくまでBtoBのビジネスの購入プロセスに関してですが、BtoCのビジネスともなるとこの比率はさらに傾くのではないでしょうか。そもそもEコマースの世界など、実物を自分の目で確認することなくデジタルの情報だけで購入を決定しているものです。Eコマースの世界には人間による接客はありません。あくまでデジタルの情報が営業マンでなくてはいけないのです。

 こう考えると、BtoB・BtoC問わずWEBサイトの情報を充実させておくことが、今後ビジネスを加速させていくためのヒントになりそうです。お客様のサービスの比較検討がWEBサイトだけで済んでしまう、最後の注文だけを人が受けるというような世界が近づいているのです。

 果たして、あなたのWEBサイトはお客様がサービスの比較検討をし、その上で選んでもらえるほどの情報を提供できているのか、という話です。この際、情報発信の上手い下手は二の次です。お客様が比較検討できるほどの情報が揃っているのか、そこが大切です。もう一度、自社のWEBサイトを冷静になって見直してみましょう。

 サービスの説明は明確でしょうか。サービスの説明がわかりやすいだけではなく、他社と比較検討した際のアドバンテージを伝えることができているでしょうか。そのサービスがどんな課題解決を果たすか、どんな目的・用途を適えるか、対象となる会社の従業員数や年商、規模感を伝えられているでしょうか。価格と納期、問い合わせを受けてからサービスを導入するまでのスケジュールはお客様の目に届くでしょうか。

 購入プロセスの85%がデジタル情報で済んでしまうようになるということは、「わからない部分は営業担当者に電話やメールで聞いてくださいね」ということをお客様に求めることができなくなるのと同義です。疑問を持ったお客様、理解ができなかったお客様はサービスについて問い合わせをしてくれるのではなく、明確に伝えている他社のサービスに移動をしてしまうということです。「わからなかったらお客様が質問してくれるだろう」という考え方では選ばれなくなる、ということですね。

 インターネットの世界、WEBマーケティングの世界、デジタルの世界はマジックミラーの世界です。こちらからお客様をみることができませんが、お客様の側からは何もかもわかりやすく見えることが求められます。やはりこれからの世界はデジタルの情報が命、情報発信力の強化が命になります。WEBサイトを誰がみてもわかりやすく。専門用語や専門知識がわからない客観的な目にWEBサイトのチェックをしてもらった方が良いでしょうね。「伝える」技術が問われます。

 おわり。

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