著者:石田 麻琴

ネットショップの広告戦略について詳しく書いていきます。1【no.1399】

 ネットショップの広告戦略について詳しく書いていきたいと思います。

 ネットショップの売上を成長させていく上で欠かすことができないのがインターネット広告の存在です。ECMJのコンサルティングでは広告を湯水のごとく使わないように指導していますが、やはり売上に加速をつけるために広告は避けられません。

 手前味噌ながら約10年前、ヤフーショッピングの出店ガイドに「広告を使うのが上手いネットショップ店長」として載っていた実績を元に、広告戦略について詳しく書いていきたいと思います。

*インターネット広告を使うタイミングは?

 まずお伝えしたいのは、ネットショップを立ち上げた後、どのタイミングでインターネット広告を使えばいいのか、ということです。

 ネットショップというとインターネット広告を使わなければサイトにお客様が集まってこない、お客様からの認知を得られないと思っている事業者さんも多いかと思いますが、そうではありません。以前コラムで紹介をした「検索にヒットさせる」「メディアに取り上げられる」「リアルからネットに導線をひく」の工夫をおこなうことによって、ネットショップのアクセスを増やすことができます。広告はあくまで手段のひとつです。

 また新規顧客の集客を強化するだけではなく、既存顧客の集客を強化することでもネットショップのアクセスを伸ばすことができます。既存顧客のアクセスやPV、購入数を増やすことでキーワード検索の結果でも上位に表示されるようになるのです。

 これらを前提として知ってもらって上で、インターネット広告を使うタイミングです。月商100万円を目安として考えてください。

*なぜ月商100万円まで広告を我慢するのか

 ショッピングモールを使ってのネットショップの出店、自社サイトでのネットショップの出店に関わらず、できれば月商100万円に到達するまでインターネット広告の掲載を我慢することがおすすめです。それはなぜか。

 月商100万円を達成しているということは、ネットショップの中にある程度売れるヒット商品があるということです。月商100万円を達成しているということは、リピーターのお客様もある程度存在しているということです。ということは、定期的に更新されているということでもありますし、ページ制作のレベルも外に出して恥ずかしくない域にあるといえます。月商100万円を達成しているということは、ある程度の数の注文をさばくことのできるバックオフィスの体制がつくれているということです。

 だから月商100万円を達成するまでインターネット広告を使って欲しくないのです。

*最初からインターネット広告を使うことで見失うもの

 広告は麻薬です。麻薬を使って自社のネットショップを加速させているようなものです。最初から広告をかけるとたくさんのものを見失います。

 まず広告をかけていないときのネットショップのアクセスを見失います。広告掲載時のアクセスをネットショップの実力と勘違いします。商品の改善やページ制作の改善を見失います。広告をかけているから売れるのか、商品やページが良くて売れているのかの判断ができなくなります。そしてリピーターを失います。新規顧客の購入があってもバックオフィスの体制ができていなければお客様に迷惑がかかります。結果、初回の購入だけになりリピーターに育ちません。

 ネットショップをスタートさせた当初からインターネット広告を使うことで「改善しなければいけないこと」が見えなくなってしまいます。

 つづく。