コンサルティングをスタートする際、ふたつの軸でクライアントのことを見ています。
*クライアントのふたつの軸とは
ひとつは商材の軸。どんなものをネットショップで販売しているか。他店に比べて差別性があるか。差別性がなければどんな付加価値をつければ勝てる可能性がありそうか。足りないのはサービスなのか、情報なのか、利用用途の提案なのか。単に値下げをすれば潮目は変わるのか。などなど。
ネットショップの売上を伸ばそうと思ったら、やはり重要になるのはこのひとつ目の軸だとは思う。ECMJとして大切にしているのは実は二つ目の軸です。
会社、という軸。会社の理念はなにか。経営者の大切にしているものはなにか。数字での管理はどこまで徹底されているのか。どんな企業風土を持っているのか。担当者は何人いるか。社内でのポジションどこになるのか。どんなパーソナリティをもっていて、得意なことは何か苦手なことは何なのか。
売上を上げる、現場のスタッフの皆さんに売上を上げてもらうことを実現する場合、ふたつ目の軸をしっかり見なくてはいけないのです。
*最初の成功体験を得るための最短距離は何なのか
ご存知のとおりECMJのコンサルティングは「勉強会」形式ではありません。ワークショップ形式でもありません。数字分析と仮説検証を繰り返しながら、自分たちで自分たちなりの勝ち筋を探していくコンサルティングです。当然、地味で手間で面倒な仕事が増えます。最初は確実にわずらわしいんですよね。慣れないから。
なので「これをやって本当に売上が上がるのだろうか」という疑いをスタッフの皆さんに最初は持たれてしまうのも仕方がないわけです。コンサルティングを初めてから1ヵ月~3ヵ月ほどはスタート直後のモチベーションがあります。4ヵ月~結果が出ないと徐々にモチベーションが下がってきます。仕事はモチベーションでやるものではないと思いますが、仕方のない部分もあるでしょう。
このコンサルティング開始から4ヵ月~半年の間に、何かしらの最初の成功体験を得て欲しいのです。
*いかに成功体験を得てもらえるかがコンサルの腕の見せ所
ひとつの成功体験を得ることができればモチベーションは再び上がっていきます。「もっと頑張ろう!やればなんとかなる!」という力の源はやはり「結果」なのです。「これをやっていればいつか必ず結果は出ますよ」ということだとしても、やっぱりモチベーションは落ちていくのです。
ここで最初のふたつの軸の話に戻ります。商材や商品、サービスによってマーケティングを展開していく基本的な戦略があります。ここまではネットショップやWEBサイトのことを知っていれば何とか辿りつくことができるでしょう。問題は現場のスタッフの方々に具体的な改善策を実行に移してもらえるか否かです。
ここはチーム・個人としてのスキルやEコマース事業へのモチベーション、会社へのモチベーション、得意分野・不得意分野、仕事の優先順位などが関係してきます。マーケティング戦略の正論は必ずしもスタッフの皆さんにとっては正論ではないのです。正論だから行動してもらえるということはなく、正論を行動できる形に落とし込まなければいけません。
売上という目標に向かって課題がある、課題の解決策もある。ただできるだけ早く成功体験を得てもらうためにふたつの軸から考えて何から徹底してもらうのが結果に結びつきやすいのか。そのストーリーを考えられるか否かと精度がコンサルタントの腕の見せ所なのではないかと思います。