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ふとした情報に「市場の変化」と「潜在的なニーズ」が隠れている【no.1332】

 ふとした情報から「潜在的なニーズ」を読み取る、話。

*その日の体調やその日の気分によって変える

 最近、ひそかなブームになっている「一汁一菜」。ECMJの顧問先であるソリウッド・プロダクツの兄・瑞木さんに教わってから、私も実践しています。自宅で食べる夕飯が「ご飯、お味噌汁、おかず一品」だけになったので、奥さんも「楽だ!」と喜んでくれているようです。

 「一汁一菜」を楽しむために炊飯器を買い換えました。それまでは4,980円の激安炊飯器を使っておりましたので、15,800円の炊飯器になりまして飛躍的にご飯が美味しくなりました。「一菜」は私の中では「一品」の定義。お刺身だったり、キムチだったり、ローストビーフだったり。その「一品」が楽しみになります。

 ・・というように、「一汁一菜」のこだわりどころは「ご飯」と「おかず」のふたつだと思い込んでいたのですが、そうではないことを知りました。これは運営堂の森野さんが実践されているそうなんですが、「一汁」のお味噌汁の味をその日の体調やその日の気分によって変えている、とのことなんですね。

 「一汁」については、お味噌汁にするか豚汁にするかくらいの二択の選択肢しか自分の中になかったので、「その日に合わせて『味噌を変える』」というのは目からウロコでした。なるほど、そんな「一汁」の楽しみ方があったのか、と。いま自宅の冷蔵庫の中にはひと種類しか味噌が入っていません。

*グレーゾーン」こそ新しいチャンス「潜在的なニーズ」

 ここでひとつの「潜在的なニーズ」を発見できたわけです。

 自分たちがわかっていてアイデアや行動にも移すことができている「内的要因」でもなく、自分たちがコントロールできない市場の変化である「外的要因」でもない、自分たちがまだ気づいていないけれども自分たちが行動することができる中間地点の「グレーゾーン」。この「グレーゾーン」こそ新しいチャンス「潜在的なニーズ」です。

 今後、「一汁一菜」がどれくらのブームになるかはわかりませんが、もし特定の層のひとつの文化になるならば「一汁=お味噌汁」の楽しみ方はより注目されるはずです。「ウチの味噌は昔からこれ!」「いつもスーパーで無意識に同じ味噌を買っている」私も含めそんな人が多いかもしれませんが、「気分で味噌を楽しむ」というニーズが高まる可能性があります。

 「気分で味噌を楽しむ」というニーズが高くなったとしたら、お客様が味噌屋さんに求める商品や情報も変わっていきます。ひとつの味噌をガッツリ買うよりも、少量で多くの味噌を楽しむことができる「お試しセット」のようなものが求められるようになるかもしれません。様々な味噌の味に合わせたレシピ、美味しいお味噌汁の作り方のコンテンツも求められるはずです。

*何も考えなければ「ふーん」で終わってしまう

 「一汁一菜」というひとつのキーワード、ひとつの流れから、少しずつ市場の潮目が変わり始めたのかもしれません―――か、どうかはわかりませんが、「時代の流れがこうなっていくかもしれない。だとしたら自分たちはこうできるかもしれない」という「仮説」を持つことが大事だと思います。

 「潜在的なニーズ」の情報は市場にあふれています。恥ずかしながら私は「一汁一菜」だけではピンとこなかったのですが、「気分と体調に合わせて味噌を変える」に「ニーズがくるのでは?」と想像することができました。何も考えなければ「ふーん」で終わってしまう情報です。しかし、どこか自分のビジネスに絡めて「じゃあ、自分たちは何ができるか?」を考えられると良いかもしれません。

 日々の運用改善を回すことがあくまで戦略の基本ですが、市場の流れを掴むことができればビューンと競合から一気に突き抜けることができます。

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