著者:石田 麻琴

リスティング広告文、クリック数に差が出るのはなぜ!?【no.1288】

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 七海案と友花里案、おにぎり水産ネットショップのリスティング広告にふたつの広告文を掲載して一週間が経ちました。定例の会議のため、麻間(あさま)さんがおにぎり水産にやってきました。

「どうでしたか。広告文の成果は。七海さんと友花里さんのどちらが多くのクリックを獲得できたのでしょうか」

 友花里さんがノートパソコンにつないだプロジェクタに、リスティング広告の管理画面を表示させました。パソコンのブラウザ上で確認するデータをみんなで検証するため、友花里さんが鬼切社長にプレゼンテーションをして経費購入してもらったのでした。

「どうですかね~。ドン!!」

 友花里さんが掛け声をかけて、管理画面上で広告のクリック数を表示させます。七海案の広告が300クリック、友花里案の広告が700クリックという結果でした。

「ま、負けた・・」数字をひと目みて結果を把握した七海さんがつぶやきました。つぶやくと同時に、両手を頭の上にのせ、頭をかかえるようなポーズをとります。「くそー、友花里に負けるとは~」七海さんがいいました。

「まあ、これは当然の結果ね。麻間さんが教えてくれた『訴求力』を七海と私のどちらが深く理解していたか、その差が出たわね。おっほっほっほ」友花里さんが自慢げに笑います。

「おー、そういう結果が出たのですね。ここまで開きがあったのはちょっと意外でした」麻間さんの言葉に、おっほっほと高笑いをしていた友花里さんが振り向きます。

「そ、そうなんですか?七海の広告文は『わさび漬け』っていうキーワードを一切出さなかったので、私の広告文がうまい具合にお客様との距離感を埋めたのかと思ったのですが・・」友花里さんがいいました。

「リスティング広告を出稿したと同時に、七海さん案と友花里さん案の広告文をチェックしたのですが、正直両方とも甲乙つけがたい良いテキストだったと思いますよ。結果的にクリック数には思いの他差がついてしまったようですが、私には同じレベルの広告文に感じました」麻間さんが七海さんのクリック数と友花里さんのクリック数、両方を指さしていいました。

「麻間さん、質問なんですけど、両方とも広告文が良かったにも関わらずクリック数がダブルスコアになった理由って何ですか。広告文が悪くなかったのなら、それはそれで私悔しいんですけど」そういうと、七海さんは友花里さんの方をみて「キリッ」と軽く睨みました。

「クリック数というのは、キーワードを検索したお客様によってその成果が変わります。今回リスティング広告のキーワードを『おつまみ 焼酎』に設定しました。この『おつまみ 焼酎』のキーワードでネット検索をするお客様に関しては、友花里さんの広告文の方がクリックしやすかったということなんでしょうね」麻間さんが冷静にこたえます。

「うーん、私の広告文と友花里の広告文を何度読み比べても、なんで『おつまみ 焼酎』で検索したお客様に友花里の広告文の方がクリックされやすいのか、まったくわからないんですけど・・。麻間さん、解説お願いします!」七海さんが手のひらを合わせます。

「これ、インターネットのマーケティングを展開していく上で非常に重要なポイントなのですが、友花里さんの広告がたくさんクリックされた理由は私も明確には『わからない』んですよ。ただ・・」麻間さんが何かをにおわせます。「ただ?」七海さんが麻間さんの意見を聞こうと首を少し前にだしました。

「ただ、現時点でわかったこともあります」

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