著者:石田 麻琴

Eコマース事業で活用したいデータづくり「受注データ」編。後【no.1283】

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 前回の受注データ編の後編です。

*発送金額
 お客様に発送した商品の合計金額。発送した商品が1商品であればプラス送料。複数の商品を同梱で発送したなら複数商品分の金額プラス送料になる。同一の発送IDであれば発送日や発送金額は同じになる。

*入金日
 クレジットカード決済の場合は「受注日=決済日=入金日」になる。お客様が銀行振込や郵便振替で決済をした場合は、先払い(商品発送前の入金)と後払い(商品発送後の入金)のふた種類がある。

*未入金チェック
 後払いの決済方法を選んだお客様が規定の期日までに請求金額を入金しなかった場合に未入金のチェックをおこなう。ネットショップのポリシーによって期限は変わり、早くて1週間、長くて1か月。少雨品到着から10日~2週間のことが多い。

*キャンセル日
 お客様が注文した商品をキャンセルした場合も受注IDは残します。データベースに残しておいた方が後々の分析で役に立ちます。商品を発送する前にお客様が連絡がきたケースがキャンセルになります。

*返品日
 お客様が注文した商品を返品した場合も受注IDは残します。キャンセルが商品を発送する前の対応であるのに対して、返品は商品を発送した後の対応になります。

*購入(販売)チャネル
 お客様がどの販売チャネルで商品を購入したかを表します。複数のネットショップを運営している場合に必須です。自社サイト、楽天市場店、Yahoo!ショッピング店などの情報を入力します。自社で設定する受注IDの中に販売チャネルの情報を入れておくこともできます。

*おまけ
 お客様に商品を発送する際におまけを入れた場合に内容を入力します。このデータが物流へのおまけ同封の指示のデータにもなります。同じおまけを渡すことも避けることができます。

*同梱物
 お客様に商品を発送する際に同梱した同梱物の内容を入力します。よくあるのが、ネットショップが独自でつくったチラシや新聞を同梱するケース。データを入力しておくことでできるだけ被らずに情報をお客様に伝えることができます。

*使用クーポン
 お客様が商品を購入した際に使用したクーポンや割引があれば入力します。データを入力することでクーポンや割引の複数回数の使用をストップすることができます。

*キャンペーン情報
 広告や販促、キャンペーン、タイムセールなど、特別なタイミングで商品を購入された場合の情報も受注データに蓄積しておくと便利です。キャンペーン経由で購入したお客様が以後ネットショップのお客様としてどう引き上がっているのかを分析することができます。

*コメント欄/備考欄
 お客様が商品を注文したときにカートのコメント欄や備考欄に入力した内容を残しておきます。内容への対応はもちろん、お客様からの直接の問い合わせにもこたえることができます。

*その他(備考)
 その他、当該の受注IDについて直接メールや連絡をいただいた内容や、データベースの変更点などがあればスタッフが入力をします。

 以上、受注データの主な項目について前編・後編にわたって解説をしてきました。

 顧客データに比べると2倍以上項目が多いですが、基本的には受注のCSVデータからシステムで一括処理ができるので、最初のモデリングが進めば楽になります。顧客データと受注データを組み合わせることで、様々な分析ができるようになります。ショッピングモールの管理画面やカートASPの管理画面で受注データを確認するだけではなく、データベースに落とすようにしていきましょう。

 つづく。