著者:石田 麻琴

「訴求力」を深く理解する上での重要ポイントとは!?【no.1267】

 「訴求力」を深く理解する上での重要ポイントとは!?(前回はこちら

「すいません。『訴求力』って・・何ですか?」

突然、七海さんがいいました。自分の話をウンウンと聞いていたので「理解してくれている」と麻間(あさま)さんは勝手に思い込んでいたのでした。

「あー、そうですね。まずは『訴求力』の説明をしなければいけませんね。まず『訴求力』というのは伝えたいことを相手が納得するように伝える力のことです。たとえば、後ろから『そこのあなた!』と声をかけられたら振り向きますか?」

「うーん。どうですかね。たぶん周りに私以外の人がいなくて、多分私のことだなーと思ったら振り向いちゃいますね。あーどうかなぁー、もしかしたら10%くらいは自分のことかなって思っちゃうかも」

「じゃあ、同じように後ろから『七海さん!』って声をかけられたら振り向きますか?」

「それは間違いなく振り向きますね。だって私、『七海』だもん」

「簡単にいえば、これが『訴求力』というものです。じゃあ、七海さん、後ろから『友花里さん!』と声をかけられたら振り向きますか?」

「あー、『友花里』って名前は私にとって馴染みがある名前だから、振り向いちゃうかもしれない。これも『訴求力』が強いってことなんですかねぇ」

「じゃあ、最後の質問です。もしも『加奈さん!』って後ろから声をかけられたら?」

「それは完全に振り向かないですね。だって私『加奈』じゃないし、『加奈』って仲がいい友達もいないし」

七海さんは『七海さん!』と声をかければ振り向く

麻間さんがホワイトボードにサラサラと文字を書きました。

「まとめると、七海さんに声をかけるときに訴求力が強い順は『七海さん!>友花里さん!>そこのあなた!>加奈さん!』ってことですね。そして七海さんには『七海さん!』と声をかければ振り向いてくれるわけだ。つまりインターネットの広告文もこれと同じ要領で考えていくんです。そうすればより『訴求力』の高い広告文ができます」

七海さんが「なるほどー。そういうことでしたか」と感嘆の声をあげました。

「ここでもうひとつポイントがあります。友花里さん。では友花里さんは『七海さん!』と声をかけられたときと、『友花里さん!』と声をかけられたときで、どちらの方が確実に振り向きますかね?」

「えー、同じ質問ですか。というか、逆の質問ですか。当たり前ですけど、私は『友花里さん!』って呼ばれたら確実に振り向きますね。でも、『七海さん!』って聞こえたら『あれっ!?七海近くにいるのかな?』って周りを見回しちゃうと思います」

「ということは、ですよ。七海さんの場合の訴求力が強い順は『七海さん!>友花里さん!>そこのあなた!>加奈さん!』こうだったんですけども、友花里さんの場合の訴求力が強い順は『友花里さん!>七海さん!>そこのあなた!>加奈さん!』の順番になるってことですね?」

『訴求力』を深く理解する上で重要な「違い」とは

麻間さんがホワイトボードに同じようにサラサラと文字を書きます。そして友花里さんがいいました。

「いや、私『加奈』っていうメチャクチャ仲がいい友達がいるんですよ。その子は七海と同じ感じで振り向くと思います。だから『友花里さん!>加奈さん!=七海さん!>そこのあなた!』。こんな感じになるんですかね」

友花里さんがホワイトボードに書かれた図を書き変えました。すると麻間さんがいいました。

「おー、なるほど、そうなんですね。七海さんの場合『七海さん!>友花里さん!>そこのあなた!>加奈さん!』、友花里さんの場合『友花里さん!>加奈さん!=七海さん!>そこのあなた!』、この違いが『訴求力』を深く理解する上で重要なんです」

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