著者:石田 麻琴

笹かまぼこを「使う」タイミングを考えてキーワード化する。【no.1239】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。

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「どのキーワードもまずは設定してみて、その成果を見てから必要不要の判断をしましょうよ。それよりも気になるのは・・」

麻間(あさま)さんが何かを深く考えたかのようにいいました。七海さんと友花里さんが麻間さんの方を見ます。

「今回のテーマとしては『わさび漬け笹かまぼこ』に興味を持ってくれそうなお客様を集めることなので、その観点からも考えてみた方がいいと思います。いまふたりが上げてくれたキーワードは『笹かまぼこ』が軸になっているじゃないですか。他の視点から、ですね」

七海さんがつぶやきます。「そうかー、難しいな」。友花里さんも「どういう風に考えたらいいだろう」。そうつぶやきました。麻間さんは続けます。

「あくまで仮説ですが、『笹かまぼこ』に興味があるお客様が『わさび漬け笹かまぼこ』に興味を持ってくれるのではないかということの逆で、『わさび』に興味があるお客様が『わさび漬け笹かまぼこ』に興味を持ってくれるのではないかということです」

「なるほど!逆の考え方ですね」

友花里さんが納得したように声をあげました。

「まあ、今回の『わさび漬け笹かまぼこ』については『笹かまぼこ』を『わさび』で漬けたものなので、『笹かまぼこ』が軸であることは間違いないと思いますが、逆の視点もあるのでは、ということですね。あともうひとつ。これが非常に重要な考え方だと思うのですが、『わさび漬け笹かまぼこ』をお客様がどういったシーンで利用、活用するのかを考えてみませんか」

「例えば、贈り物とか?」

七海さんがいいました。麻間さんが頷きます。

「『わさび漬け笹かまぼこ』という商品はそれ自体が新しくて、面白い商品だと思うんですね。だからこそ雑誌に取り上げられたのだと思います。なので、商品自体に価値があるわけですが、通常、お客様は『何かの目的』があってネットショップで商品を購入しているんですね。例えば、いま七海さんが言ってくれた贈り物です。お中元やお歳暮に『わさび漬け笹かまぼこ』を選択する方もいるかもしれません」

「となると、『お中元 笹かまぼこ』とか『お歳暮 笹かまぼこ』っていうようなキーワードも設定しておいた方がいいですね」

友花里さんがホワイドボードにメモを取りました。

「そうですね。あと、できればもう一歩踏み込みたいです。私からの提案として設定しておいてもらいたいのが『お中元 おつまみ』や『お歳暮 おつまみ』というキーワードです。『お中元』や『お歳暮』は笹かまぼこを買うタイミング、『おつまみ』は笹かまぼこを使うタイミングのキーワードです」

七海さんは「なぜそのキーワード?」というようにポカンとしていましたが、友花里さんは「なるほど!そうか!」と声を上げました。

「『笹かまぼこ』とか『わさび』とか、『わさび漬け笹かまぼこ』に直接的に関わるキーワードから一歩離れたキーワードを考えるんですね。たしかに実店舗で『わさび漬け笹かまぼこ』をよく買われていく常連のお客様が『これ、焼酎によく合うんだよ~』とおっしゃっていたと思います。インターネットで『おつまみ』を探しているお客様に『わさび漬け笹かまぼこ』を提案するわけですね」

「そうなると、『おつまみ』を軸にしてキーワードを考えていくのもアリじゃない?いま友花里が言ってた『おつまみ 焼酎』だっていいわけでしょう。なんだかリスティング広告のキーワード設定って、連想ゲームみたいだね」

七海さんが笑いながら言いました。

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