著者:石田 麻琴

音楽イベントを企画している友人が教えてくれた、赤字にならないブッキング【no.1229】

 とある音楽イベントを主催している友人がいます。規模的にはキャパシティ500名くらい。彼に聞いた「イベントを外さない方法」が面白かったので、多少オブラートに包みつつ紹介したいと思います。(許可いただき済み)

 イベントを企画するときに、一番怖いこと。それはイベントを開催してみたらお客さんが全然集まらなかった(チケットが売れない・・)ということですよね。この友人が開催するイベントは開催前にチケットが売り切れ、ソールドアウトになります。ではどうやって売り切れにするか。

ポイントはブッキングするアーティストにある

 大切なのは、このアーティストが「どれくらいお客さんを呼べるか?」を見る目です。

 お客さんを20人なら連れてこられるのか、50人連れてこられるのか。東京でライブをやったときにお客さんが来るバンドでも、地方に行くとお客さんがこないこともあります。逆に東京では20人しかお客さんが来ないんだけど、地方にいってもその20人のお客さんがそのままついて来てくれるアーティストもいます。

 ここは友人の熟練のノウハウがあるようです。SNS上でのファンの熱量をみたり、実際のライブにいって熱狂的なファンの方がどれくらいいるかをみたりするらしいんですね。もちろん、友人がイベントに声をかけたいのは「確実に●人のお客さんを呼ぶことができて、できるだけ出演料が安い」アーティストです。やはり予算は有限なので・・

 もうひとつ必要になるのは、こういった「人数は少なくてもお客さんをもっている」アーティストではなくて、「目玉になる有名なアーティスト」です。ここはあくまで名前重視。出演料と引っ張ってきてくれるお客さんのバランスを考えると、ちょっと集客力としては弱いかなということも多々あります。

 ただ、有名なアーティストの参加は、イベントの存在をアピールしたり、ブランドを確立したりする上でもやはり外せないということでした。

 そしてもうひとつ、地元のアーティストを呼びます。

 この音楽イベントですが、地方都市を中心におこなっています。(なので、遠方から参加してくれる熱量の高いファンの方を計算したいという部分があります)。地元のアーティストは有名でなくても構いません。それなりの実力があるようならば、声をかけてみるそうです。

 地元のアーティストを呼ぶ理由は、頑張ってお客さんを集めてくれるからです。有名なアーティストと対バンができる機会ですから、頑張って地元の友達を誘ってくれるというのです。地元のアーティストは先の「お客さんを持ってる」アーティストや有名アーティストよりも、チケットを売ってくれることもあるようです。

 この3つのパターンのアーティストを集めると、その時点でチケットの最大販売枚数と最小販売枚数が決まるんですね。それぞれのアーティストが「何人くらいお客さんを呼べるか=チケットの枚数」を個々に計算して、その総和が500枚になっていれば、その時点でソールドアウトになるというわけです。

 イベントを立ち上げ、リリースする時点で実は売上が決まっているという・・。なので、「もしかしたらお客さんが来ないんじゃないか」と心配する必要はありません。「たとえ少なくても確実にお客さんを呼べる」アーティストを探すことが、やはり最大のポイントだということでした。