メルマガはとてもシンプルなPDCAの練習になります。
メールマガジンというと、「ん?」という事業者さんが多いかもしれません。以前は少しやっていたけれど、最近はやらなくなったなぁという事業者さんもいるでしょう。たしかに一時からメルマガの配信数が飽和状態になり、その効果は落ちていると言えます。
ただ、メルマガはその効果だけではなく、企画・実践・検証・改善とPDCAサイクルをシンプルに回すことができ、改善のサイクルを社内に組み込んでいくため取り組みやすい手段です。メルマガを業務に取り入れることのメリットを紹介します。
1.スケジューリングが徹底される
メルマガは定期的に配信しましょう。たとえば、毎週月曜日の13時、隔週の金曜日の16時などです。「メルマガ=お客様への情報発信」です。情報発信をする日が決まれば、メルマガ内容を決める締日が決まります。メルマガのネタやコンテンツを準備する日も逆算して決めることができます。メルマガの配信日を決めることにより、その他の業務のスケジュールが決まっていくのです。これも「メルマガ」という情報発信の軸ができることから生まれます。
2.数字による検証が頭に入りやすい
メルマガの成果検証は非常にシンプルです。メルマガを送ったアドレスの数を表す「配信数」。メルマガの件名をクリックして中を閲覧した「開封数」。メルマガ内のリンクをクリックした「クリック数」。「配信数→開封数→クリック数」というように、メルマガの検証はシンプルな一本のラインになっています。「開封数÷配信数」「クリック数÷開封数」のパーセンテージを出すことで、引上げ率を出すことができ、これを改善施策の成果指標にすればいいのです。
3.改善がしやすい
メルマガの作成方式は2パターンです。HTML形式とテキスト形式があります。HTML形式の場合はHTMLの知識がなければ作成が難しいですが、テキスト形式であればたくさんの人間がメルマガ作成に関わることができると思います。今週はAさんがタイトルを考える、来週はBさんがタイトルを考えるということもできますし、AさんとBさんのタイトルを同時に配信し、A/Bテストを行なうこともできます。
4.ネタを探すようになる
メルマガをスタートした当初は保有している情報がメルマガのネタになります。ただ、定期的にメルマガを配信していると、だんだんとネタが枯渇してきます。ネタを探すという、外向きの動きがおきるようになります。お客様から反応をいただくためには情報を外に取りに行かなければいけません。「定期的な配信であること」「お客様に向けての情報発信であること」がネタに対する意識を高めていきます。アウトプットだけではなく、インプットにも繋がっていくのです。
―――というように、メルマガを定期配信することによるメリットは多くあります。最初はメルマガのタイトルだけをいじって運用改善するところから始めるのが良いかもしれません。「開封数÷配信数=開封率」で、どんなタイトルだと高い数字が出せるのかを知るためのPDCAです。
やはり大切なのは、メルマガを配信することだけではなく、メルマガの配信後にその成果を検証することです。検証してはじめて、次の仮説が生まれ、次の改善点が生まれてきます。メルマガのPCDAは数字に影響を及ぼす「複合的な要因」が少ないPDCAですので、改善サイクルを社内に組み込んでいくためにぜひ取り組まれてみて欲しいと思います。