サイトアイコン ECMJ

お客様が「1メートル先にきたのか、まだ10メートル先にいるのか」を管理する。【no.1173】

 WEBサイトをマーケティングに活用するとき、その成果をいかにして測るかが改善のサイクルを回すためのポイントになります。

 Eコマース事業、ネットショップ運営だとEコマースサイトにおける「決済」とわかりやすいのですが、WEBサイトから問い合わせ、見積り、アポイントの依頼などをもらうコーポレートサイト(以下、サービスサイト)の場合、明確な成果管理ができていないケースがあります。今回は、サービスサイトにおける成果管理について考えていきます。

 BtoCのEコマースサイトは比較的お客様のアクセスとそのコンバージョン(転換率)がわかりやすいのが普通です。対象顧客がコンシューマーであるため、決済を決断するまでの時間が短く「アクセス→コンバージョン」とその日に結びつく可能性が高いといえます。ネットショップの運用改善についても、当日のアクセスと当日の注文件数、そして当日の売上を結びつけて考えるところからスタートして問題がないと思います。

 しかし、主にBtoBのサービスサイトの場合、アクセスとコンバージョンがすぐに結びつかないのが普通です。サービスを導入するにあたって、社内向けの提案資料を作成したり、他社との比較をおこなったり、予算のタイミングを待っていたり、会社の事情が挟まりますから、アクセスとコンバージョンの距離が広いといえます。Cのお客様のような、いわゆる「衝動買い」が起こることは稀なのです。判断が一個人ではなく、複数人の合意になるのがほとんどなわけですから。

 そうなると、WEBサイトを経由しての問い合わせ、見積り、アポイントの実際の連絡がくる前のお客様との距離感いかにして読むことができるかが、サービスサイトの運用改善における成果管理として重要だということになります。お客様が「1メートル先まで来てくれているのか、それともまだ10メートル先にいるのか」それをデータで判断していくわけです。

 通常、お客様が辿る流れとして、「サービスの認知→サービスの理解→サービスの比較検討→サービスの問い合わせ→アポイント→成約受注」が一般的ではないかと考えられます。流れの中で「アポイント→成約受注」がリアル(WEBサイト外)の対応。また、この場合「問い合わせ」がコンバージョンのポイントということになります。「サービスの理解→サービスの比較検討」。ここをWEBサイトの成果管理をおこなうことで「1メートル先まで来てくれているのか、それともまだ10メートル先にいるのか」を把握し、改善を回していくのです。

 改善を回すための重要な成果管理として、Googleアナリティクスに「ユーザーフロー」という機能があります。このユーザーフローとは、WEBサイトにアクセスしたお客様がサイト内をどのように回遊したか、その遷移を可視化したものです。ユーザーフローを活用するときにポイントにしたいのが、問い合わせ、見積り、アポイント等のコンバージョンが生まれるページを中心にした、お客様のページ遷移ということになります。GA上だとページURLに合わせ、「ここをハイライト」というボタンを押すと見ることができます。

 最後にここでの改善サイクルのヒントをご紹介します。それはコンバージョンページの前のページを見ることです。つまり、どのページを見たお客様がコンバージョンのページに遷移しているのか、それを知り運用改善を回していくのです。もちろん運用改善の方法としては、「定数を上げる」「率を改善する」のどちらを指標にしてもらっても構いません。

 おわり。

 

モバイルバージョンを終了