ネットショップの運用改善を進めていく上で、重要なのがミーティングの果たす役割です。ビジネス全般においても、ミーティングをひとつの点として、点と点を繋いでいきながら目標に向かっていくのが基本だと思います。そう考えると、ミーティングとは駅のようなもので、次の駅を設定し線路を作り、またその次の駅を設定し、また線路を作り目的地へと向かっていくわけです。駅とはミーティング、線路とは日々の実践ということになるでしょう。
さて、では、ネットショップにおけるミーティングの内容です。ネットショップの運用改善を進めていく場合、2種類の議題が必要になります。1つは、新アイテムの発売、販促企画・キャンペーンのアップ、メールマガジンの配信など、日々のお客様に対するアプローチについて「どんな施策を行ったか」「その効果はいかほどであったか」という議題。もう1つは、ネットショップのサイトリニューアル、OEM商品の企画状況、バックヤードシステムの入れ替えなど、中長期にわたるプロジェクト管理についての議題。この2種類が必要になります。
Eコマース事業における定例のミーティングについて、内容のポイントを書いてみます。
1.これまでの実践・取り組みの確認
前回のミーティングから今回のミーティングまでの間に、お客様へのアプローチとして実践したこと、プロジェクトへの取り組みを確認します。実践・取り組みの内容については、前回のミーティングで決定した内容が期間内に問題なく進められているかをチェックすることが主になります。もし、実践・取り組みがなされていない場合、「なぜできなかったか」を話し合い、「どうすればできるか」メンバーがそのフォローを考えるのが良いと思います。ミーティングは吊し上げの場所ではなく、サポートの場と考えましょう。
2.数字の変化の確認
前回のミーティングから今回のミーティングまでに行ったお客様へのアプローチについては、その成果が数字として出ているはずです。新アイテムを発売すれば、販売数と売上の変化を確認することができます。メールマガジンを配信すれば、アクセス数の変化を確認することができます。固定の数字項目(まずは売上・アクセス人数・受注件数・転換率・客単価から)の比較とチェックを繰り返すことで、「なぜ数字が動いたのか」を話し合っていきます。そして状況により、数字の深堀りをしてください。例えば、アクセス人数という項目であれば、新規のアクセス人数とリピーターのアクセス人数の2つに分けることができます。
3.次回のミーティングまでにやること
前回のミーティングから今回のミーティングまでに行った施策と取り組み、数字の変化の確認を行った後に、次のミーティングまでにやることを決定します。次はどんな新アイテムを発売するか、メールマガジンのネタは何にするか、サイトリニューアルはどの部分を固めておくか、バックヤードシステムの入れ替えは何を検討しておくか、などです。お客様に対してのアプローチについては、「なぜその手段・手法の選択をしたのか」その理由を議事録として残しておくと良いでしょう。
以上、Eコマース事業のミーティングにおける3つのポイントを紹介しました。読んでもらえるとわかるとおり、それぞれのポイントはPDCAサイクルにおける「1.これまでの実践・取り組みの確認=D」「2.数字の変化の確認=C」「3.次回のミーティングまでにやること=A」の役割を果たしています。ミーティングの開始5分を使って「序:全体の戦略・方向性の確認=P」を入れても良いかもしれませんね。経験上、多くのミーティングの場合、「C」がきちんと行われておらず、「A」が「D」と化していることがあります。「A」はあくまで「C」があるからこそ「A」であり、「C」がなければ単なる「D」になってしまうことをよく覚えておいてください。ここがミーティング活用の一番のポイントかもしれません。
おわり。