著者:石田 麻琴

Eコマースの市場の変化について、改めて振り返ろう。終【no.0765】

 Eコマースの市場の変化について振り返りたいと思います。(前回はこちら

 前回の続きです。こちらのブログですが、2011年前半までの振り返りはネットショップ運営担当者、スタッフの立場から、2011年後半からの振り返りはコンサルタント、経営者の立場からの視点になってしまうことをご了承ください。

 2014年、2015年のEコマース市場のトレンドキーワードは「越境EC」と「コンテンツマーケティング」でしょう。前回は「越境EC」について触れました。

 「コンテンツマーケティング」もこの2-3年で急激に知れ渡ったワードです。WEBサイトのコンテンツをしっかり作り込むことによって、インバウンド(外から中に入ってくる)でのお客様を増やしていこうという「集客手段」のひとつです。

 インバウンドマーケティング(つまりこちらからサービスを売り込むのではなく、お客様の方から声をかけてもらうためのマーケティング活動)という言葉がありますが、「コンテンツマーケティング」は「インバウンドマーケティング」の手法のひとつです。また自社のための情報メディアとして「オウンドメディア」という言葉があります。「オウンドメディア」は「インバウンドマーケティング」を実現するための手段のひとつと考えて良いと思います。

 コンテンツマーケティングが盛り上がっている理由です。やはりここでも、現在のEコマースの市場が「買い手市場」であることが根本にあります。

 やはりEコマース事業を成功させるためには、「新しいお客様にどうやってネットショップの存在を知ってもらうか」ということがポイントになります。インターネット広告の効果が落ちている中で、集客手段としてあげられるのが「検索エンジンからの流入」と「ソーシャルメディアでの拡散」ということになります。

 この「検索流入」「ソーシャルメディア」ともに効果が出るのが「コンテンツマーケティング」である、という考え方です。

 しっかりと作り込んだコンテンツページを作成し続けることで、検索にヒットしやすくなる。また、作り込んだページがソーシャルメディアでシェアされ話題になることで、広い層にネットショップ(の商品やサービス)を知ってもらえるようになる。

 検索エンジンの仕様も変わり、よりコンテンツが作り込まれているもの、よりソーシャルメディアでシェアされているページが検索にヒットしやすくなっているといわれています。つまり、これからの新しいカタチの「SEO対策」といった方がわかりやすいかもしれません。

 ここまで、2005年から2015年までのEコマース市場の変化を振り返ってみました。市場は二極化する傾向にあります。Amazonやセブンアンドアイグループのような大資本とそれ以外です。それ以外の中小ネットショップの課題は「差別性のある商品開発」と「どうやってお客様に存在を知ってもらうか」、このふたつが中心になっていきます。

 また大切なのは、このように「小さくてもキラリと光る」ダイヤモンドのようなネットショップをつくり上げる「人財」です。誰が試行錯誤して、Eコマース事業を成長させていくのか。ここが現在のEコマースの市場には圧倒的に不足しています。

 インターネット化の時代の波は避けられないものです。ユーザー、お客様はリアルだけではなく、インターネットという仮想空間の中でも生きています。日本中のあらゆる企業が、何らかのカタチでインターネットを活用しなくてはいけない時代になっています。

 この15年で、ネットショップにチャレンジしていない会社は少なくなりました。ただ、Eコマース事業を全く成功させられず、断念した会社も多いと思います。これからこのECMJブログを通じて、着実にEコマースを学んでいければと思います。ネットショップを新しい会社の軸に育てていきましょう。

おわり。