Eコマースの市場の変化について振り返りたいと思います。(前回はこちら)
前回の続きです。こちらのブログですが、2011年前半までの振り返りはネットショップ運営担当者、スタッフの立場から、2011年後半からの振り返りはコンサルタント、経営者の立場からの視点になってしまうことをご了承ください。
2013年秋、Yahoo!ショッピングの出店費用・ロイヤリティが無料化された、いわゆる「eコマース革命」により、ネットショップの出店者が爆発的に増えました。
2013年から2015年にかけて、BASEやストアーズ.jpなどのインスタントECカートが一般化します。また、メルカリやLINEモールなどの個人間での取引ができるCtoCのショッピングモールも活性化してきました。現在は様々な商材やコンセプトのCtoCショッピングモールが出てきています。WEBとアプリの開発が容易になってきたことも、この傾向を加速させているのでしょう。
「ネットショップを運営する」「インターネットで商品の売買をする」という点では、この15年間で企業から個人までハードルがかなり低くなりました。ECカートや受注システムについてもそうですし、決済機能や物流システムも進化しています。通信速度が上がったことや、スマートフォンの普及により「1人1台のパソコン」を持っている時代になったことも、Eコマースの市場が成功してきた要因です。
しかし本質的な問題は、「どうやってインターネットで商品を販売するのか」であったり「注文いただいた商品をどうやってお客様に届けるか」であったりではなく(それもそれで重要ですが)、「どうやってお客様にネットショップの存在を知ってもらうか」ということです。今後、さらにネットショップの数が増えていくと予想される中で「いかにしてお客様になってもらうか」というアイデア無しに事業を回していくことは難しくなります。市場はすでに「買い手市場」なのです。
現在、新規顧客を獲得し、Eコマース事業を伸ばすために注目されているポイントが「越境EC」と「コンテンツマーケティング」のふたつです。
まず「越境EC」。これまでもネットショップの海外販売(海外発送)については多くの会社がチャレンジをしてきましたが、明確な成功例はありませんでした。楽天市場やYahoo!ショッピングも海外展開の撤退を経験しています。ただ、2014年・2015年のEコマースの市場の傾向から「いよいよ本格的に海外展開を!」をいう機運が高まっています。
もちろん、海外で決済機能や物流機能が整い出していること、Eコマースの文化が浸透してきていること、通信機能が進化していることなど、「商品を購入する側」のインフラの準備が整っていることが、ここにきての「越境EC」の盛り上がりに繋がっていると思います。しかし、Eコマース事業をおこなう大部分の事業主が感じていることは、おそらく「日本のEコマース市場の限界」なのではないでしょうか。
インターネット広告全盛の時代が終わり、サービス合戦の時代はAmazonやセブンアンドアイグループなどの大資本が圧倒的に強くなります。これまで、ページ制作のカイゼンや、CRMを活用しての顧客満足度アップ、細かいデータを分析してのシステム改良など、ネットショップの売上と利益を上げるために様々な努力をしてきたものの、「やっぱりそもそも市場が伸びている(市場が大きい)ところで販売した方がいいよね」という方向に向いています。
ネットショップはインターネットビジネスなのですから、国内だけではなくより広いお客様をカバーできる方がいいわけです。2014年・2015年と、本格的に海外に打って出るための「越境EC」ノウハウが加速し始めています。
つづきはこちら。