Eコマースの市場の変化について振り返りたいと思います。(前回はこちら)
前回の続きです。こちらのブログですが、2011年前半までの振り返りはネットショップ運営担当者、スタッフの立場から、2011年後半からの振り返りはコンサルタント、経営者の立場からの視点になってしまうことをご了承ください。
2008年頃、広告効果やメルマガ効果が徐々に悪化していくとともに、「サービス合戦」がEコマースの中心になります。その中心が「物流」サービスの戦いです。お客様の注文を受けてから、より早くお客様にお届けする。受注から発送処理までのタイムラグをできる限り短くすることが、多くのネットショップのカイゼンのテーマになりました。
この市場のテーマの変化により、Eコマース向けのサービスを展開する物流会社が増えます。それまではEコマースの物流を「片手間」だったり「倉庫が空いているから」という理由で請けていた会社が、「Eコマース専門」の物流会社になることもありました。物流会社、物流倉庫としてもEコマースは見逃せない市場になっていたのだと思います。
ただ、この土俵では一枚も二枚もAmazonが上手だったことになります。スピード勝負では、どのネットショップもAmazonには勝てませんでした。現在も、短いタイムラグでの配送サービスが様々立ち上がっていますが、Amazonほどの物量まで成長している会社はありません。そんな2011年夏。私がネットショップの運営者をやめた頃までの話です。
2011年から少し時間を戻します。2011年までにここまで紹介をしたほかに、ふたつの動きがありました。ひとつは「自社サイト(独自ドメインサイト)」、もうひとつはソーシャルメディア。このふたつがEコマースに大きく関わってきます。
自社サイトを立ち上げるネットショップが増えたのは、2007年頃からです。Eコマース市場の中で、自社サイトを立ち上げた会社にはいくつかのパターンがあります。
ひとつは、Eコマースを始めた当初から自社サイトで運営をおこなっているパターン。このパターンの方に多いのが、かなり早い時期(2000年や2001年)に、それこそ楽天市場がまだ有名になっていないときからEコマース事業を始めている方。もうひとつは、すでにリアルでブランド・知名度・認知がある小売りの会社がEコマース事業に進出するというパターンです。
もうひとつは、楽天市場からEコマース事業をスタートし、次の段階でYahoo!ショッピングにチャネル展開をせずに自社サイトに展開していったパターン。このパターンが2007年頃から増えてきました。楽天市場、Yahoo!ショッピングとチャネル展開をしていった会社も、その後に「自社サイトで」ということも多くありました。2007年~2009年にかけて自社サイトをオープンさせた会社が多いと思います。
また、自社サイトの特徴としては、元々商品の製造や販売をおこなっていた会社だけでなく、インターネットの会社から移ってネットショップを立ち上げた会社もあげられます。WEB制作会社やインターネットの広告代理店でネットのノウハウを学んだ上で、自社サイトをオープン。SEO対策の知識やリスティング広告(PPC広告)、アフィリエイト広告のノウハウを活用して、一気に売上を作った。というようなネットショップも多くありました。
ただ、SEO対策やリスティング広告などのインターネットのノウハウで一時的にネットショップの売上を立てることができたとしても、結局広告効果は落ちていきます。ショッピングモールと同様、広告戦略で勝つには早目の参入が吉の市場でした。
つづきはこちら。