著者:石田 麻琴

Eコマースの市場の変化について、改めて振り返ろう。二【no.0754】

 Eコマースの市場の変化について振り返りたいと思います。(前回はこちら

 前回の続きです。こちらのブログですが、2011年前半までの振り返りはネットショップ運営担当者、スタッフの立場から、2011年後半からの振り返りはコンサルタント、経営者の立場からの視点になってしまうことをご了承ください。ネットショップ運営担当者の時代から、いまのような視点をもっていたかった・・汗

 さてさて、2005年頃の日本のEコマース市場は、楽天市場のものだったといって過言ではないと思います。Yahoo!ショッピングが伸びてくるのはもう少し後、Amazonの波が押し寄せるのも、もう少し後になります。

 まず楽天市場のパソコンのネットショップが盛り上がり、そしてにわかにモバイルのネットショップが盛り上がり始めました。ガラケー時代に楽天市場で買い物したことのある方はご存じかと思いますが、基本はテキストリンク、画像も1枚2枚貼ることができるだけのページです。「モバイルでも商品が売れる」は衝撃的でした。

 当時はパソコンの楽天市場ネットショップの市場が順調に伸びていたので、わざわざ手間をかけてモバイルに手を入れるショップが多くはありませんでした。

 私の場合、2005年に最初に就職させてもらった会社がたまたまモバイルに力を入れていたこともあって(大学生インターンにモバイル店を任せたら、たまたま大ヒットしてしまった!)、早い時期からEコマースの市場の流れとモバイルの市場の流れを知ることができました。といっても、最初に入社した会社でしたから比較対象もなく「そんなもんだ」と思っていたのですが・・。自分が特異な環境にいたことを知るのは、その数年後になります。

 2004年から2006年にかけて、楽天市場のパソコンのEコマースが一気に盛り上がります。続いて、2005年から2006年にかけて、楽天市場のモバイルのEコマースが一気に盛り上がっていきました。この後に盛り上がってきたのが、ご存じ「Yahoo!ショッピング」というインターネット・ショッピングモールです。

 私はYahoo!ショッピングに出店したネットショップの店長を担当していました。店長を始めたのが2006年の9月のことでした。これは以前、「運営者時代の話」というブログでも書きましたね。いま思えば、もっとも良い時期にYahoo!ショッピング店の店長を担当させてもらえたと思っています。楽天市場のパソコンのネットショップ、モバイルのネットショップと同様、ひとつの「バブル」の状況に乗ることができた時期でした。

 いま思えばですが、当時のEコマースは「商品力」「提案力(制作力)」もさることながら「集客力」が売上に繋げるためのキモでした。おそらく高い「商品力」を持っているネットショップはたくさんあったと思いますが、「集客力」という観点がなかったばかりに思うように成長をしないショップがたくさんあったと思います。

 そんな中で、手前味噌ながら私が店長をしていたネットショップは1年で売上が7,000%アップしたわけですが、あくまで「市場に強いフォローの風が吹いていた」からに他なりません。Yahoo!ショッピングというショッピングモールの「成長期」にタイミングよく乗れたため、「広告戦略」で売上を伸ばしていくことができました。

 ちなみに、このあたりの時期でYahoo!ショッピングに出店していたネットショップは、ほとんどが楽天市場にも出店しているショップでした。感覚値ですが、「Yahoo!ショッピングだけ出店しています」というネットショップは聞いたことがありません。楽天市場でネットショップを運営している会社がYahoo!ショッピングにも出店する。Eコマースの「チャネル展開」という言葉が出てきたのはこの頃でした。

 つづきはこちら

 

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