ネットショップの広告戦略について詳しく書いていきたいと思います。
前回はインターネット広告の選択方法について紹介をしました。広告の経験が少ない中での弱者の知恵についても解説しました。弱者の知恵は様々あると思いますので、ぜひネットショップを運営しながら探されてみてください。今回は広告分析についてです。
*広告分析を繰り返すことで、広告の成果は「必ず」上がる。
前回のコラムでお伝えしたとおり、ネットショップの広告戦略で大切なのは「広告分析(成果検証)」です。「データをとって、カイゼン」を繰り返すことで、次の広告の成果が上がっていきます。リアルの看板広告やチラシ広告、新聞の紙面広告などでは細かいデータ分析はできません。インターネットならではの手法です。
広告分析は「どんな広告に」「どんな情報を掲載し」「どんなページにリンクさせ」「何を販売したか」によって成果が異なってきます。広告の選択が合っていても、広告に掲載する情報がズレていると効果が上がりません。もちろん逆もしかりです。広告分析を繰り返すことによって、広告から販売までの流れをデータでチューニングしていくのです。
*広告で使われる指標。CPAとLTV。
広告分析の指標として一般的なのがCPAとLTVです。このふたつについては名前と計算方法、考え方を覚えておくと良いと思います。
まずCPAです。CPAはCost Per ActionもしくはCost Per Acquisitionの略とされます。簡単にいうと広告出稿時に1注文を何円の広告費で獲得できたかという指標です。たとえば50万円の広告をかけて500件の注文があったとします。その場合、50万円÷500件=1,000円。広告のCPAは1,000円ということになります。この1注文獲得の広告費1,000円が販売商品の利益額とバランスをしているならば、「もっと広告をかけよう!」と考えて良いです。
次にLTVです。LTVはLife Time Valueの略です。日本語でいうと「生涯顧客価値」。広告による効果を「注文」ではなく「お客様」の数で評価をする指標です。広告掲載によって新規のお客様が100人獲得できた。ネットショップでお客様が平均的に購入する金額は1人あたり2万円である。だとすると、新規の100人のお客様は将来的にネットショップで合計200万円分商品を購入してくれることになる。この200万円の売上の利益額と広告費がバランスしているならば、「もっと広告をかけよう!」になるわけです。
*CPAとLTVの役割の違い。
上記で解説したとおり、CPAは広告から販売までの流れを評価する指標、LTVはお客様のリピートを含めたネットショップ全体の運営を評価する指標になります。なのでCPAかLTVかどちらかを分析するのが良いのではなく、ネットショップの広告分析には両面が必要となるわけです。CPAの数字は基本的に小さければ小さいほど良く、LTVの数字は大きければ大きいほど良いはずです。
ひとつポイントを挙げるとすれば、「生涯顧客価値」であるLTVの期間をどこに設定すればいいかというところです。過去に購入したお客様が今後買うか買わないかはわからないわけです。「2014/7に新規購入したお客様で~」などと新規のお客様の条件を絞り、そのお客様についてのLTVを計算していくと良いと思います。ネットショップの運営スタイルによりLTVは変わっていきますから、定期的に顧客データを取得・分析する仕組みを整えておいた方がよいかもしれません。
つづく。