著者:石田 麻琴

「商品を購入しなかった」お客様への顧客満足度対策とは?【no.1327】

 顧客満足度を上げる。簡単に言葉にはできますが、「じゃあ、何をどうしたらいいのか」具体的な行動となると、いまいち何をすればいいのか難しい。どこか自分たちが「こんなことをやったらいいのでは?」という主観的なアイデアになってしまいがちです。

 ネットショップでの顧客満足度を上げるための考え方について解説をしていきます。

 まず顧客満足度の対策はふたつに分かれます。ひとつは商品を購入したお客様への対策です。そしてもうひとつは商品を購入しない(購入しなかった)お客様への対策になります。後者の「商品を購入しない(購入しなかった)」お客様への対策の方が、前者に比べて難しくなります。

*商品を購入したお客様への顧客満足度の対策

 商品を購入したお客様への対策です。

 顧客満足度を図るひとつの要素はリピート率です。商品を購入したお客様が自社でリピート購入をしてくれているか、してくれているとすればどの商品か、これが顧客満足度に結びついているといって良いでしょう。最初に購入した商品と同じ商品を購入してくれていたら、さらに満足度が高い証拠です。

 リピートしてくれているスパン(期間)を確認することも大切です。初回の購入から二回目の購入までの時間が短いほど、そして購入頻度が多いほど満足度は高いといえます。ただ、これは商材によりけりな部分もあるので、お客様のリピートが年1回だとしても、買い続けてもらっていることに越したことはありません。さらに購入金額。前回の購入時よりも購入金額が上がっているのも満足度が上がっていることの表れとして考えて良さそうです。

 データとともに確認したいのがレビューです。レビューにはポジティブな情報もネガティブな情報もどちらも書かれます。また事前にお客様が知っている情報、了承している情報については前提条件になるためレビューに書かれないことも多々あります。レビューの分析からは差し引いて、もしくは条件を足して考えるのが良さそうです。

*商品を購入していないお客様への顧客満足度の対策

 次に商品を購入しない(購入しなかった)お客様への対策です。

 商品を購入しない(購入しなかった)お客様は顧客データも受注データも残してくれませんから、リピートの分析をすることができません。レビューも残してくれません。仮にどこかのタイミングで商品を購入してくれたとしても、もしかしたらネットショップにアクセスするのは初めてではなく2回目3回目それ以上かもしれません。

 改善の成果を図るとすれば、転換率(コンバージョン)です。ネットショップ全体もしくは商品ページごとの転換率が上がったとしたら、それを顧客満足度が上がったと同義として評価をします。転換率は商品や商品画像、商品説明文によっても改善しますが、決済方法・配送方法などの追加・見直し、サイト全体のデザインとレイアウトの変更(特にサイドナビ、フッター)によっても数字が変わっていきます。

*競合ネットショップと比較して「負ける理由」をつぶす

 自社内で「もっとお客様の満足度が上がるにはどうすればいいか?」を議論するのも結構ですが、それだとあくまで「主観的な改善」です。自社のネットショップが競合としている他社のネットショップ。自社と購入時に比較されていると思われるネットショップをターゲットにして、まず「負ける理由」をつぶしていってみてください。自社よりも少しレベルが高い(ように感じる)ネットショップを競合として分析するのが良さそうです。

 もしも実店舗や卸などでリアルのお客様に接する機会があるネットショップであれば、ネットの担当でも定期的に現場に立ってみるのをおすすめします。インターネットでは見ることができなかった、「商品を購入しない(購入しなかった)」お客様の反応を知ることができるはずです。