(前回はこちら)
前回は<7.競合分析をおこなう>について解説をしました。
競合分析も数字分析と同じように、定期的にウォッチをすることで「変化」を探していくことが大切です。競合ネットショップのお客様になり切ることができれば、競合の施策と成果のバランスが肌感覚でわかるまでになっていくのではないでしょうか。
8回目は<8.多商品、多店舗展開のポイント>です。
<8.多商品、多店舗展開のポイント>
*商品数を増やすことがEコマースの基本。
インターネットのマーケティングを展開していくとき、お客様の認知を拡大させるためには「商品を増やす」か「情報を増やす」かの二択しかありません。商品が1商品しかなくて、情報もペラ1のページしかなかったとしたらお客様に知ってもらえることはまずないと思います。「広告を増やす」という第三の手段を使わない限り。
Eコマースに関していえば、商品数を増やすことが必勝法のひとつと言えます。商品数を増やすことはEコマースの成長のポイントであるふたつの要件を同時に適えるのです。「新しいお客様に知ってもらうため」そして「既存のお客様にもっと楽しんでもらうため」このふたつです。
*意外と手間がかかるのが多店舗展開。
Eコマース事業は自社サイト(独自ドメインサイト)だけで行なうものではありません。楽天市場、Yahoo!ショッピング、ポンパレモールなどのショッピングモールもあります。また、Amazonやヤフオクなどの出品型のプラットフォームもあります。そしてお客様はインターネット上で「どこで買えば一番お得か?」を考えながら耐えず動き回っているのです。
現在のEコマースの市場環境を考えると、自社サイト、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3つのチャネルでネットショップの運営を行なうのがスタンダードだと思います。楽天カードを使っているお客様もいれば、Tポイントを積極活用しているお客様もいます。自社サイトの他に、楽天市場とYahoo!ショッピングに出店していれば、売上の「取り逃し」が少ないはずです。
*多店舗展開をチャレンジする際の問題点。
インターネット上に複数の店舗を構えてEコマース事業を展開するとき、いくつか新しい課題が生まれてきます。ひとつはデータ移行の問題です。
ベースとして元々運営していたネットショップのトップページや商品ページを多店舗展開先のシステムに移行する作業が発生します。商品ページが何百、何千ともなると移行も簡単ではありません。また、特定のシステムに依存したページの作り方をしていると、多店舗展開先のシステムに合わせるために別の作業が必要になることもあります。とはいえ、有料のシステムも低価格で活用可能です。
もうひとつは在庫の問題です。複数のネットショップを構えると、商品在庫をどう配分するかという課題が生まれます。当然、在庫の数を2倍、3倍にするわけにはいきません。在庫のデータを全店舗揃えておき、どこかで売れたらどこかを抜く、とするのが通常です。こちらも、有料のシステムでカバーすることができます。
最後に運営の問題です。多店舗展開としてデータを移行、データ管理を行なうだけではなく、システムに沿ったマーケティングをしていかないと売上は伸びていきません。はたして多店舗展開をしたときに、誰を担当につけるのか、そちらも事業者さんの悩みのひとつではないでしょうか。
―――では次回最終回は、<9.人財育成>について解説をしていきます。