仕事をしていると予想していなかったことが起こります。
それが良いことの場合もあるし、悪いことの場合もある。こういうときに「ふーん」で終わらせず、「?何かヒントがあるのではないか?」としつこく考えを深めると、次の行動に結びつく「仮説」を立てることができます。
「うわーラッキー!」や「あー、運が悪かったなぁ」で終わらせず、「何でこうなったんだろう」「どうすればよかったんだろう」「何ができるんだろう」と考え続けることが大切です。まあ、結果的に何にもわからないこともあるのですが、考えることが大切。
先日、ECMJが深く関わらせてもらっている会社の担当者さんから深夜にメールがありました。ツイッターの画面をキャプチャした画像が載っていました。どうやらその会社のデザインした製品を誰かがツイッターでアップして、それがリツイートの嵐になっていたんですね。なんかすごいことになっていますね、と。
自分たちがSNSで話題になるために意図的な仕掛けをしていたわけではありません。
もちろん、ステマでもありません。製品を誰かが写真で撮ってツイートしてくれたのはこの会社にとってはまったくのラッキーなんですね。ただ、やっぱり大切なのは「うわー、ラッキー!こういうことあるんだね!」で終わらせないことです。
まずできるのは、事象が起こったときの「対応」です。いつ誰がツイッターに投稿してくれ、そしてそれがリツイートの嵐になるかはわかりませんが、リツイートの嵐が起こった直後に「最速で」対応することはできます。
たとえばこの場合、「自社の商品がツイッター上で話題になっていないか、定期的にチェックする仕組みをつくる」ことがひとつ。もうひとつは「ツイッターで話題になっている製品を自社のホームページのファーストビューで見える位置に移動させる」ことが対応として考えられます。ツイッターで情報を見た方が、インターネットで自社のホームページに探しにくるだろう、という想定です。
そして大切なのは「仮説」を立てることです。
ソーシャルメディア上での情報拡散による認知の拡大やWEBサイトへのアクセス増は、もはや企業のインターネット戦略にとっても重要な手段のひとつです。今回、ツイッターでリツイートの嵐がおこった製品のどのポイントに拡散のヒントがあったのか、仮説を立てることができます。デザインなのか、機能性なのか、デザインならどの部分のデザインなのか。ヒットの「ツボ」が埋まっているはずです。
また、今回どんな方がツイッターに投稿をしてくれたのか。過去の投稿内容や公開されているプロフィールから、どんな方なのかが推測できるはずです。製品のヒットの「ツボ」と合わせて、「こういう方がこういう製品に興味を持ってくれるのではないか」という仮説を立てることができます。ちょっと個人詮索みたいですが、マーケティングの材料として。
リツイートの嵐が起こっている中で、単に投稿をリツイートしている人と、投稿に自分なりのコメントを足してリツイートをしている人がいます。実際に今回のリツイートの中でも、こちらの会社名を含んでコメントを書いてくれている人がいました。その方はどんな内容のコメントを残してくれているのか。「かわいい~」なのか「俺は違う」なのか。ユーザー側の素直な声を聞く絶好の機会です。
―――というようにたくさんの「仮説」を立てることはできると思います。「ちょっとしたこと」は日常の身近なところで起こっています。大切なのは「ふーん。そうかー」で終わらせないことです。
おわり。