著者:石田 麻琴

Eコマースを持続的に成長させる、理想的な商品の条件を挙げてみます【no.1242】

 Eコマース事業を成長させるにあたって、自社の商品をどう作っていくかの改善は欠かせません。マーケティング手法もデータ分析手法も、システム化の手法もたくさんありますが、商品力の前にはかなわないわけです。

 Eコマースを持続的に成長させる、理想的な商品の条件を挙げてみます。

*商品原価率が低いこと

 安く作って高く売ることができる商品、安く仕入れて高く売ることができる商品がやはり有利です。高い利益率はイコール商品価値でもあります。利益率が高ければ人財投資や広告投資、システム投資ができます。やはりビジネスはキャッシュが重要です。ちょっとやそっとの外的要因に揺るがない事業を作ることができます。

*リピート性があること

 1度購入して終わりよりも、何度も購入してもらえる商品が理想です。できることならば「定期購入」として注文が約束されるようになる商品を販売したいところです。継続性が強い商品は、ライフタイムバリュー(LTV)の数字を元にしてマーケティングを展開することができます。

*検索されること

 インターネット上で販売展開を進めるならば、「探される(=検索される)」商品であれば有利です。インターネット広告というお金をかけるのではなく、インバウンドで認知が拡大すると事業が楽になります。ショッピングモールに依存しないためには「情報軸」での課題解決系の検索にヒットすることが条件です。

*腐らない、劣化しないこと

 世の中には適切に保管をしていても腐ってしまう商品があります。また、適切に保管をしていても経年劣化をしてしまう商品があります。腐ってしまった商品、劣化してしまった商品は廃棄になります。商品はイコールお金です。腐りもせず、劣化もしない商品を販売すればEコマース事業が有利に展開できます。

*モノが小さいこと

 Eコマース事業の経営を考える上で、商品が「小さい」というのは理想的な条件のひとつになります。商品が小さければ保管のスペースを取りません。外の倉庫を借りず、社内で商品を保管することもできます。また、発送にかかるコストも削減することができます。メール便で発送できるか否かが注文数にも関わってくるはずです。

*在庫をもたなくて良いこと

 在庫をもたなくて事業が回せれば理想的です。物販のEコマースであれば「受注発注」の仕組みができる商品でなければ「在庫ナシ」は難しいところです。ただ、データのEコマースであれば在庫をもたずにEコマース事業を回すことが可能です。例えば、LINEのスタンプ。あれもEコマースです。しかも、在庫ナシ、永遠に在庫切れナシという魔法のような商品です。

 以上、Eコマース事業の理想的な商品について「商品原価率が低いこと」「リピート性があること」「検索されること」「腐らない、劣化しないこと」「モノが小さいこと」「在庫をもたなくて良いこと」の6つを挙げました。

 ネットショップを運営されている皆さんは、自社の商品を考えたときにどうでしょうか?もちろん、この条件を満たしていないからといってEコマース事業が上手くいかないわけではありません。逆に、この条件を満たしているからといって必ずEコマース事業が成長するわけでもありません。

 市場があれば成長する可能性は十分にあります。大切なのは「突破力」です。「データをとって、毎日カイゼン」を繰り返して自社のネットショップならではの道を探していってもらえると良いと思います。その過程の中で、少しずつ理想的な条件を満たしていければ最高ですね。