著者:石田 麻琴

WEBで使われる「バナー」って、一般的にみんな知ってますかね【no.1074】

 ネットショップを運営していると、素人目線(お客様目線ともいう)を失ってしまうことがあると思います。私などもこの業界10年選手ですので、「これって当たり前でしょ?」と思っていることが多々あるはずです。ぜひ気づかれたらご指摘ください。

 時折、ミーティングをしている中で、またお客様からいただいた問い合わせメールやレビューの中で、「はっ!」と気づくことがあります。つい先日も、「はっ!」としたことがあったので、共有をさせてもらいたいと思いました。

 お客様は、バナーをバナーだとわからないのでは・・ということです。

 残暑の中、凍えるような話です。ネットショップの運営のWEB制作の仕事のひとつ、「バナー作成」なのですが、お客様がバナー画像を「特集やキャンペーンへの導線」だと理解してくれているのかは甚だ疑問です。それに気が付いたのは、お客様の問い合わせ電話でした。

 製品を紹介しているホームページの中のひとページからネットショップに導線が引いてあります。「選べる6種類!●●シリーズ!」といったバナーです。お客様から製品についての問い合わせを受けた方が、商品を購入するための誘導を電話でおこなっているのですが、お客様の画面表示とどうもかみ合いません。

 「その上にあるバナーをクリックしてください」「その下にあるところをクリックしてください」といっても、飛び先のページがお互いに異なるのです。なぜかというと、お客様が「バナー以外の部分で」クリックをしていたというのですね。そもそも、「バナー」すら、お客様との共通言語にはなっていません。なので、かみ合わないと。

 この話を聞いて思い出したのは、私が前職のネットショップの会社に入社した当時のことです。前職の会社が運営しているネットショップは、販促企画の企画力がウリで、お客様からも高い評価をいただいていました。私が入社したのは2005年の7月。この7月には、ネットショップで2つの販促企画を展開していました。ひとつは「サンシャインジュエリー」という企画、もうひとつは「サマーセール」という企画。

 「サンシャインジュエリー」は夏のビーチでぜひ着けたい、キラキラ感が際立つカッティングを施したジュエリーを集めた企画。「サマーセール」はその名前のとおり、2005年上旬に発売した商品を中心にしたセール企画です。この2つの販促企画のバナーが、ネットショップのトップページ(とかヘッダー、フッター)にデカデカと並んでいたのですが、私は入社してから2週間ほど、このバナーをクリックしなかったんですね。

 それはなぜか。どこかの広告だと思ったから。もしくは、クリックしてはいけない何かだという警戒心が働いたから。先輩社員に「まこっちゃん、そこそこ」と言われても、販促企画のバナー以外のところを見ていたくらいですから・・。でも笑えません。問い合わせがきたお客様と一緒です。

 バナーって、WEBの世界では当たり前に使われている言葉ですが、これって一般的ですか?全然そんなことはないと思うんですよね。お客様にとってバナーは看板のようなもの。もしかしたら、クリックするという発想すらないかもしれません。

 必ずやっておきたいことです。バナーの中に「販促企画はこちら」「この画像をクリックしてください」などの、お客様を誘導する文言を小さく(読める範囲で)入れておくこと。もしくは、バナーの下にテキストで「販促企画はこちら」「この画像をクリックしてください」を入れ、テキストリンクを入れておくこと。これでもお客様の反応は変わります。

 「これって当たり前でしょ?」は無意識におこっている・・。

 おわり。