著者:石田 麻琴

どこでブログをやった方がいい?プラットフォームを活用するか否か【no.0795】

 先日、中小機構さんでセミナーをさせていただいたときに多かった質問が、「どこでブログをやったらいいか」という質問でした。

 セミナーの中で、ブログコンテンツをつくり込むことで新しいお客様の集客に成功している例をお話ししたのですが、やはりブログ活用への興味がみなさん強いようです。ネットショップの集客というと、どうしても広告頼みになってしまいます。「広告でしか、新規顧客の集客はできない!」と頭が硬直してしまっている運営者も少なからずいるのではないでしょうか。(実際、某業界紙のアンケートでも、集約手段の9割が「広告」だった)

 ブログのプラットフォームというとアメブロやライブドアブログ、FC2ブログ、gooブログなど、様々なプラットフォームがあります。また独自のドメインを取得し、プラットフォームを活用せずにブログを更新していく方法もあります。

 前者、後者ともメリット、デメリットがありますが、Eコマース事業を会社の柱に育てていくと考えている場合は、後者の「プラットフォームを使わない」方法をおすすめしています。

 プラットフォームを活用することの良いところは、プラットフォーム自体にユーザーがついていることです。楽天市場やYahoo!ショッピングなど、インターネットショッピングモールでも同様のことが言えます。プラットフォームについているユーザーが、自社のブログに流れてきてくれる可能性があるのです。ここがプラットフォームの良いところです。

 ただし、プラットフォームを活用すると自分が書いたブログコンテンツでも、プラットフォームに載っているものについては「プラットフォーム側の資産」ということになります。ここもインターネットショッピングモールと同様で、自分が運営しているネットショップで購入したお客様は、ネットショップのお客様ではなく、ショッピングモールのお客様なのです。ですから、基本的にネットショップには顧客データを自由に活用する権利がありません。

 そもそも、新しいお客様に自社のネットショップ、自社の商品を知ってもらい、購入&利用してもらうことを目的としてブログを書くわけですから、顧客データ(会員データ)やブログサイトのWEBデータが自由に活用できないのは困ります。プラットフォームを使わず、独自にドメインを取ってブログサイトを運営するしか「自社の固有の資産」にする方法はありません。

 プラットフォームに依存せずブログサイトを運営することのデメリットは、サイトが探されるのに時間がかかることでしょう。プラットフォームほどドメインの価値が高くない場合が多いですから、時間をかけてコンテンツを増やし続けていかないと、なかなか検索結果で上位に表示されません。プラットフォームを使わない場合にも、それはそれでデメリットがあります。

 ブログサイトは新しいドメインを取得して新しいサイトでスタートしても良いですし、自社のホームページやEコマースサイトに機能を加える形でスタートしても良いです。すでに自社で運用しているWEBサイトのドメインを活用した方が、ドメイン取得からの時間が経っている分、サイトとしての価値が高いということもあります。ここはブログのコンセプトによって、既存のドメインを活用するか否かを決めていきます。

 「長い目でみると、プラットフォームに依存しない方がいいですよ」という話をすると、よくあるのが「もう何年もアメブロでやっちゃってるよ!」という反応です。せっかくここまで書いてきたのに・・という気持ちもあるとは思いますが、ビジネスを成長させるためには時に「損切り」も重要です。

 おわり。