著者:石田 麻琴

「いま、この瞬間に全力集中して仕事をする」ため、徹底したい2つのポイント【no.0603】

(2015年5月のコラムリライトです)

 仕事をスムーズに、クオリティを高く進めていくためのコツは、「いま、この瞬間に全力集中する」ことだと思います。

 「いま、この瞬間に全力集中する」ことの邪魔になるのが、「あー、あっちの仕事をやらなきゃいけないんだよな~」「この仕事を急いでやらないと、あっちの仕事の納期が間に合わない」というような感情です。まだ起こっていない未来への不安が、いまこの瞬間の全力集中を邪魔してきます。結果、仕事に対する姿勢が散漫になり、納期と品質が不十分なものになってしまうのです。

 「いま、この瞬間に全力集中する」ために大切だと思うことを列挙します。

 まず、できる限りの仕事を、仕事の必要性が起こった「その場」で解決してしまうことでしょう。例えば、メール。原則になるのは、「メールを読んだ、その場で返信をする」です。返信を行なうメールならば、「なんとなく返信は明日以降で」とする意味はありません。「その場」で返信です。これで、「あー、あのメール、返さなきゃなぁ」と思いながら仕事を進めることはありません。

 メールを受けて内容を読んでから、一度自分の中で温めて返信をしよう。という考え方もあるでしょう。よく考えずにメールを書き出して、「相手に伝わらないメールになったらどうしよう‥」という不安があるのはわかります。しかし、「即返信」で「相手に伝わるメール」を書くのは、単なる「慣れ」です。まずは、「その場で返信」を徹底して、その上でクオリティに注意を払い、最終的に自分の実力に変えていくのが良いのではないでしょうか。

 仕事を「その場」で解決することができない場合。「気持ち的には即実行したいが、これから人と会う予定がある、打ち合わせがある、他の優先順位が高い仕事がある」という場合、大切なのは仕事の予定を「スケジュールに入れる」ことです。あくまで最高なのは、「その場ですぐに対応」。それができないならば、「スケジュールに入れる」。そのような二段階の構えで仕事を進めていきます。

 仕事を思いついた段階でスケジュールに入れると、まずは「あー、あの仕事やらなきゃいけなかったのを忘れていた!」ということがありません。自分の頭の中以外に、タスクを管理させているわけですから、当たり前です。即「スケジュールに入れる」ことのより大きなポイントは、「やんなきゃいけないけども、時間がない」を防げることです。

 仕事の内容・項目も時間もスケジューリングされるわけですから、仕事自体を忘れたり、仕事を行う時間がなかったりして、「焦る」ことがなくなります。いま「この瞬間に全力集中」すればいいだけなのです。他の仕事を行う時間はすでに確保されているわけですから、他の仕事の課題は「いま」ではなく「確保されている時間」に悩みましょう。時間を区切ることで、気持ちも区切ることができます。

 毎朝オフィスに出勤後、仕事を始める前に「本日のTO DO」を書き出しているという方も多いと思います。「TO DO」の書き出しと共に、その「TO DO」を各々どれくらいの時間をかけて行うのか、スケジューリングの作業を加えると、より仕事がスムーズに、クオリティが高く進められると思います。

 「そもそもどれくらい時間がかかるかわからない」という意見もあると思います。スケジューリングは、最初は適当で構いません。まずは予測の時間を設定して、その乖離を知ることから始めてみてください。回数を重ねるごとに、仕事内容と必要時間が読めるようになり、スケジューリングの精度は上がっていきます。「タイムマネジメントが上手い」という表現をするのが良いでしょうか。

 「いま、この瞬間に全力集中する」ため、できれば「その場ですぐに対応」。できなければ「スケジュールに入れる」。ぜひ徹底してみてください。仕事の進捗が格段に上がります。

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