著者:石田 麻琴

「人に知ってもらう仕事」と「人に楽しんでもらう仕事」に同じくらい時間を費やす。前半【no.0540】

 「人に知ってもらう仕事」と「人に楽しんでもらう仕事」に同じくらい時間を費やしましょう。ネットショップの売上をあげるために、そう伝えています。

 これまでたくさんのネットショップを見てきました。そして、たくさんのネットショップの相談を受けてきましたが、「人に知ってもらう仕事」と「人に楽しんでもらう仕事」の比率は、良くて「2:8」。ほとんどの方が「1:9」。「0:10」で「人に楽しんでもらう仕事」ばかりを続けている方もいらっしゃいます。どれも「5:5」の比率には到底およびません。

 Eコマースのビジネスと実店舗のビジネスは根本的に異なります。

 実店舗ならば「人に楽しんでもらう仕事」がそのまま「人に知ってもらう仕事」になりえます。なぜなら、実店舗には商圏があるからです。しかし、Eコマースにおいては「人に知ってもらう仕事」と「人に楽しんでもらう仕事」完全に別物です。「人に楽しんでもらう仕事」はあくまで「お客様にネットショップにアクセスしてもらってから」効果が出ることであり、「人に楽しんでもらう仕事」をいくら頑張ってもお客様はアクセスしてくれません。インターネットには商圏が無いため、このようなことが起こります。

 だから、「人に楽しんでもらう仕事」と同じくらい、「人に知ってもらう仕事」に時間を費やさなければいけません。

 これを話すと、必ず返ってくる質問があります。「人に楽しんでもらう仕事」と同じくらい「人に知ってもらう仕事」に時間を費やせというけれど、石田さん、「人に知ってもらう仕事」ってそんなにありますか?という問いです。私は検索対策もインターネット広告もひと通りやっていますよ他に何があるというのですか、というのです。

 答えは、イエスです。あります。無限にあります。ただ、あなた(ネットショップの運営者)自身が、「面倒」だったり「地味」だったり「手間」だったりして「効率的にできない」と判断し、勝手に施策の選択肢から外しているだけなのです。だって、めちゃくちゃ「やりたくない仕事」かもしれませんが、「人に知ってもらう仕事」として「駅前で4時間、ネットショップのチラシを配ってくる」という仕事だってあるわけじゃないですか。それを選択肢として入れていますか、という話です。

 単に「面倒」で「地味」で「手間」で非効率で、効率的にならない仕事だから、「費用対効果が悪い」「無理だし無駄だ」「やっても意味がない」と判断して「人に知ってもらう仕事」の選択肢から外しているだけなのです。

 はっきり言ってしまうと、「人に知ってもらう仕事」は90%以上の確率で、その努力が「徒労」に終わります。お客様に「無視」をされて、精神的に傷つきます。

 駅前でネットショップのチラシを配れば、あまりにお客様に無視され続けて精神的に傷つくことでしょう。でも、インターネット広告だって、「その広告がブラウザに表示されたときのお客様の顔」が見えないだけで、そのほとんどが気にもされていないわけです。インターネット検索も同じです。私たちが目の当りにできないだけで、ほとんどが無視されています。メールマガジンだって、ほとんどが「即削除」です。違いは自分から「見えているか見えていないか」ただそれだけです。

 「人に楽しんでもらう仕事」は「人に知ってもらう仕事」に比べたら楽チンです。どんな商品を企画するか、どんな商品を仕入れるか、どんなページを作るか、どんなイベントをおこなうか、どんなオマケをつけるか・・すべて自分たちの思ったとおりに事が進みます。だって、「じゃあ、来週はお花見企画をやろう」と決めてその準備をすれば、ネットショップに「お花見企画」が確実に立ち上がるわけでしょう。

 「人に知ってもらう仕事」は「人に楽しんでもらう仕事」のように思いどおりにはいきません。なぜなら、「人に知ってもらう仕事」は他人を動かす仕事だからです。「人に楽しんでもらう仕事」は自分を動かす仕事です。だから、「人に知ってもらう仕事」のほとんどが「徒労」に終わるのは当然のことなのです。まずは、ここをベースにして「人に知ってもらう仕事」に取り組んでいかなければいけません。

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4 コメント

  1. 「人に知ってもらう仕事」と「人に楽しんでもらう仕事」に同じくらいの時間を費やす。後半【no.0550】 | ECマーケティング人財育成 | ネットショップ事業と人材を共に育てる。

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