著者:石田 麻琴

こんな経営者は困っちゃう。コンサルを受けられないパターン【no.0394】

コンサルティングのご依頼を受けるとき、困ってしまう経営者のパターンが2つあります。

ひとつは、「あんたに任せてみよう」パターン、もうひとつは「とりあえずやってみよう」パターンです。以下に解説していきますが、この両パターンとも、弊社ではコンサルティングをお受けすることができません。

*「あんたに任せてみよう」パターン①

「あんたに任せてみよう」パターンには①と②があります。ポジティブな「あんたに任せてみよう」が①で、ネガティブな「あんたに任せてみよう」が②です。まず、①の「あんたに任せてみよう」ですが、これは「あんたに任せた」の方が、ニュアンス的に近いコンサルティングの依頼になります。

商工会議所やセミナーでの講演を行うと、たまに「いやー、素晴らしい話をお聞きした。あんたに任せた!」と上機嫌で話しかけてきてくれる経営者の方がいます。弊社のコンサルティング理論や事例を聞いて、感動をしてくれて声をかけてくれたのでしょうが、少しズレているのです。

「あんたに任せた」は、「お金は出すからあんたの思う通りにやってくれ」という意味です。弊社のコンサルティングは、あくまで主体がクライアント側にあり、その判断力・実践力・検証力を鍛えていくというのが軸なので、こちら側に判断の全てを投げられても困るのです。感動してもらえるのは嬉しいのですが・・。

*「あんたに任せてみよう」パターン②

「あんたに任せてみよう」パターン②は、「試しにあんたに任せてみよう」転じて「試してやろう」的なネガティブな依頼です。「あんたが言っていることが、本当か嘘か、試してやる」というテンションで声をかけられることが、これは稀にあるのですが、当然コンサルティングとしてお受けできないパターンです。

パターン①とも同じですが、弊社のコンサルティングはあくまで主体がクライアント側にあるので、クライアント側がコンサルタントを「疑った」状態では、そもそもコンサルティング自体が成り立ちません。そして、「疑った」状態では100%成果は出ません。コンサルタントはチームメイトとして現場に関わっていきますから、本質的には感情自体、別なものではないのです。

こういう経営者はそもそもコンサルタントへの期待が間違っている(いわゆる「儲け話を耳元で教えてくれる」コンサルタントを本当のコンサルタントだと思っている)ので、付き合いを持つことさえも危険です。

*「とりあえずやってみよう」パターン

弊社のコンサルティングの話を聞いて、「あーそうかそうか、なるほど、とりあえずやってみようか」という経営者がいます。そして、「まー、結果は期待するけど、もし出なかったら出なかったで仕方ないから」と続くパターンです。

一見すると、コンサルフィーは出してくれるけれど、結果の責任については曖昧であるという「カモ」のクライアントに感じるかもしれません。「ラッキーなクライアントじゃないか!」と思う方もいるかもしれませんが、弊社のコンサルティングとしては引き受けられないパターンになります。

コンサルを入れるからには、「必ず結果を出す」つもりで臨んでもらわなくては困ります。弊社は、実績が欲しいのです。経営者が「結果出なかったら仕方ないから」では、コンサルティングを受ける現場のスタッフも適当に話を聞き、適当に実践をすることになります。そうすると成果は出ません。弊社にとっては、実績に繋がらないことの方が問題なのです

この「とりあえずやってみよう」パターンとしてありがちなのが、複数の事業を持っている経営者のパターンです。不動産業と飲食業と小売業とか、金融業とサロン業と小売業とか。不動産や金融で儲けていて、趣味として飲食や実店舗をやっている。そして、そっちは実は「赤字」でも困らない、(むしろ税金対策になって良い)そんな経営者です。

「あんたに任せてみよう」パターン①②・「とりあえずやってみよう」パターンは、共に「自分達で考え、自分達で実践し、自分達で検証する」という、「自分達が腹をくくって『ヤル』」ことから認識がズレてしまっています。経営者はコンサルフィーを払いさえすれば良くても、「現場のスタッフ」にしわ寄せがくると、結果はでません。そうなると、やはりお受けすることができない仕事ということになります。

おわり。