ネットショップのあるあるストーリー、その壱つづき。(前回はこちら)
鬼切社長は二子(にこ)社長にアポイントの連絡を入れました。二子社長は快く、アポイントを取ってくれました。しかも、「ゆっくり話せるように、食事をしながらでもどうですか?」と提案してくれました。
「じゃあ、お疲れ様ですということで、乾杯!」
二子社長がビールジョッキに口をつけるのを見計らって、鬼切社長はキンキンに冷えたビールをひと口、含みました。鬼切社長は二子社長とふたりで食事をするのは始めてです。これまでは、地域のイベントなどでたくさんの人と一緒に食事をすることはありましたが、こうやってふたりで、対面してビールを飲むのは初めてでした。
「二子社長、今日は、ほんとすいませんでした。突然電話をかけてしまって」
「いえいえ、鬼切社長いいんですよ。僕も先週まで予定が立て込んでいまして、気分転換したいなと思っていたところです。鬼切社長から連絡いただけて嬉しかったです。その後、猪井氏(いいし)先生とはどうですか?頑張られてますか?」
「二子社長、実は今日はその話なんですわ。二子社長には、猪井氏先生という本当にいい方を紹介してもらって。猪井氏先生とは、二子社長に紹介いただいてから3ヶ月ほどの間に2回お会いして、いまは電話で連絡もらって課題を考えている最中です。また来月の頭ごろにはこっち来られるみたいなんですが」
「鬼切社長の雰囲気を見ると、猪井氏先生の宿題に、少し困られているとかですかね?」
「うーん、まあ、困っているというほどではないんですが、まだ少し慣れないというか。ほら、猪井氏先生って、けっこう教えてくれないじゃないですか。もっと教えてくれれば、宿題の進捗も早くいくと思うんですが・・」
「まあ、鬼切社長も気づかれている通り、猪井氏先生のモットーは『人を育てる』ですからね。まずは、課題の意味から考えてもらって、答えじゃなくて、もっと、何ていうんですかね、試行錯誤をする力をつけてもらいたい、そういうことはすごく感じますよね」
「二子社長の言うてることもわかるんですが、どうも進捗のスピードが遅いように感じてしまうというか。まあ、まだ最初の段階だと思うし、『大切にしたいこと』を考えただけでもあるんですが・・」
「猪井氏先生は、自分の中でしっかり消化して浸透させること、を重要視してるんですよ。だから、最初のうちは時間がかかるのも仕方ないと思います。でも、私なんか、正にいまそうなのですが、鬼切社長も後々は、捌ききれないくらい宿題のヤマがきますよ・・ハハハハハハ。そして、その大量の宿題を、期日に必ず提出しなければいけないことになります。今は、提出日前にできちゃう課題ばかりだと思いますが」
「そうなんですよ!『大切にしたいこと』も提出日前にFAXで送ったら、すぐに返信が返ってきて『提出日はまだのはずです!』って。結局、提出日までさらにアイデアを煮詰めて、よりいいものが出来たんですが・・」
「鬼切社長、猪井氏先生の狙いは正にその部分なんですよ。宿題が簡単であろうが、難しくあろうが、必ず提出日を守ってもらう。まずはそれを守ることから始まるんですよね。ここは次に猪井氏先生にお会いしたときに、詳しく聞いてみるといいと思います。本当に、仕事をする上で大切なことですから」
二子社長のビールが空っぽになりそうだったので、鬼切社長は急いでビールを飲み干し、店員さんにおかわりのビールを注文しました。
「それで、鬼切社長、今日、相談したいことって、何でしたかね。猪井氏先生の宿題とか?」
「二子社長、それなんですわ。『大切にしたいこと』の10箇条のひとつに、『売上年商1億円、利益2,000万円』って書いたんですが、ものの見事に猪井氏先生に突っ込まれてしまって、『本当かいな』と。それで、どう考えたらいいもんだろと思って、また恥を承知で二子社長に連絡してしまいました」
「いやいや、いやいやいや、全く気にしないでください。たぶん、猪井氏先生だったらそういう質問をするだろうなーって何となく感じていました。猪井氏先生、数字大好きですから。『売上年商1億円、利益2,000万円』ですね・・」
そういうと、二子社長は鞄からペンと紙を取り出し、ネットショップの説明を始めました。
つづきはこちら。
[…] つづきはこちら。 […]
[…] ネットショップのあるあるストーリー、その壱つづき。(前回はこちら) […]