バックオフィスを「売上に繋がる」フロントヤード化していきましょう、という話。
(前回のコラムを読まれていない方は、まずこちらをお読みください)
前回のコラムでネットショップには7つの業務がある、というお話をしました。商材開拓/商品企画、Web制作、集客、運営(更新)。そして受注管理(データベース管理)、物流、カスタマーサポート、この7つです。
まずお客様に商品を購入してもらうまでの仕事です。商材開拓/商品企画から運営までの仕事をフロントヤード業務といいます。そしてお客様が商品を購入してくれた後の仕事です。受注管理からカスタマーサポートまでをバックオフィス業務としました。しかし、これからのネットショップ運営ではできるだけこの切り分けをなくしたいところです。すべてが「売上に繋がる」フロントヤード業務だと捉えることが重要になります。
そこで今回はバックオフィス業務をどのように売上に繋げていくかをお伝えします。
・受注管理(データベース管理)
ネットショップの売上を上げるために重要なのはデータの活用です。売上やアクセス人数、受注件数は分析システムから取得することができます。しかし欠品率や返品率、在庫データは自社のデータベースに蓄積されている情報です。ここは自社で分析の仕組みをつくらなくてはいけません。
データの取得方法のルール化やデータを集計・加工する方法の検討。また、分析システムのデータとの紐づけ、定期的にウォッチするためのテンプレート化。これらを日々の運営改善に役立て、データを売上に繋げていきます。
・物流
お客様の注文から配送までのスピードは顧客満足に大きく影響します。Amazonが物流を戦略化していることと同様です。注文日に発送される、明日到着する。もしくは今日注文して今日到着するということは、確実に売上に繋がっていきます。もちろん配送スピードを速めると同時に、梱包の正確性も顧客満足に影響していきます。
また、在庫管理のデータ化や物流倉庫のレイアウトを改善。配送のラインを購入スタイル、発送スタイルに合わせることでの物流が効率化。それらをおこないコストを圧縮することができます。そのコストはそのまま利益になります。さらなるマーケティング活動への原資になるわけです。間接的に直接的な手を打つ手助けができます。
・カスタマーサポート
美容健康系商材をメインに電話やメールでの注文を受けているショップもあります。そんなショップにとって、カスタマーサポートはフロントヤード業務でしょう。美容健康系に限らず、お客様に「よくわからないから。詳しく知りたいから」「電話やメールで相談して商品を決めたい」というニーズがある場合。どんなネットショップでも電話注文を検討しましょう。場合によっては売上の柱になる可能性すらあります。ザッポスのような感じです。
またお客様からのクレームが、商品の改善や改良に影響を及ぼす点も忘れられません。カスタマーサポートにきている意見を、商品企画担当が定期的に吸い上げる。一般的にはそういった会社が多いかと思います。しかし「カスタマーサポートと商品企画」を一緒にしている会社もあります。こうなると完全にフロントヤード業務ですよね。
ということで、上記3つの業務のフロントヤード化について書きました。これらをより効果的にするための第一歩です。まずはバックオフィスのメンバーがフロントヤードの会議に「必ず出る」ことからです。まず第一歩としてそこから始めていきましょう。
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