マーケティングリテラシーについて考えています。とくにECMJの場合はEC事業のコンサルティングを専門にしている会社ですので、ECにおけるマーケティングリテラシーをいかに高められるかが重要です。もちろん、マーケティングリテラシーが高い会社ほど、EC事業が持続的に成長することになります。
EC事業にはいくつかの特性があります。このECの特性が、マーケティングリテラシーの必要性をアップさせているわけです。
なぜならECはインターネット上のビジネスです。インターネットはご存知のとおり、一瞬で世界中の情報にアクセスする世界です。また、SNSの進化と一般化により、情報は爆発的な量になり、また加速的に世界中をかけぬけていきます。この原則から考えると、小手先のノウハウや成功モデルはすぐに標準化していきます。従来、リアルの人から人に時間をかけて伝達されていた情報が、いまこの瞬間に世界中の人々に届いてしまう時代です。
情報の標準化から考えると、情報の価値は低くなります。価値は「新しいアイデアをつくり、実現する」方に寄っていくわけです。この「新しいアイデアをつくり、実現する」ためには、ECの知識やノウハウ・スキルではなく、リテラシーがなければいけません。マーケティングリテラシーがあるからこそ、「新しいアイデア」を泉が湧くように生み出すことができるわけです。
ここでいうリテラシーは元々の「読み書き能力」の意味ではなく「ある分野に関する知識や能力を活用する力」という現在の使われ方の意味です。この「ある分野」というところがECであり、「活用する」場面がマーケティングであるという位置づけです。ECのマーケティングリテラシーをつけることで、日々のアクションの選択と判断、新しいアイデアの立案と実践、そして成果検証のPDCAが回っていくのです。
ECにおけるマーケティングリテラシーとして、3つのカテゴリがあるのではないかと考えています。「戦略リテラシー」「管理リテラシー」「運用リテラシー」の3つです。
まず「EC戦略リテラシー」は、文字通りEC戦略を組み立てるための力です。「EC運用リテラシー」はECを運用するための力です。一般的なEC業務のノウハウは、この「EC運用リテラシー」に紐づいています。商品企画・集客・サイト制作など、いわゆるマーケティング業務のベースとなる能力です。
最後のひとつが「EC管理リテラシー」です。実際には、このEC管理リテラシーはEC戦略リテラシーとEC運用リテラシーの間にあります。つまり、ECの運用業務を回すための土台としてEC管理リテラシーを高めておかなければいけないということです。我々、ECMJのコンサルティングが重要視しているのは実はこの「EC管理リテラシー」の部分なのです。
「EC管理リテラシー」にカテゴライズされるものとして、データ活用・情報管理・スケジュール管理の能力が考えられます。またEC事業を着実に成長させるための「定例会議」もリテラシーのひとつに入ってきます。
データ活用・情報管理・スケジュール管理・定例会議・・これらを聞くと、「ECマーケティングに限らないことでは?」という印象を受けるかもしれません。そのとおりです。この「EC管理リテラシー」はある意味の「仕事力」ともいえます。ただし、ポイントは「管理リテラシー」を「ECマーケティング」に合わせている点です。ECマーケティングに合わせたデータ活用・情報管理・スケジュール管理・定例会議を組織と人材の土台(=リテラシー)にすることがポイントです。
次回のコラムで「EC管理リテラシー」について解説していきます。