ネットショップの売上が減っているときの対処法。具体的なデータ項目からなにを読み取るかについて紹介していきます。
ちなみに前回は、そもそもの売上減に気づくための考え方、売上の因数分解、時系列でデータをみること、このあたりを紹介しました。
セッション数減の原因を探す観点
「セッション数」「コンバージョン率」「客単価」「注文件数」という「売上」から因数分解した4つの数値項目。売上が下がる原因になっている可能性が高いのは、「セッション数」と「コンバージョン率」です。「客単価」が大きく下がって、売上減を引き起こしている。こちらはレアケース。「注文件数」は「セッション数×コンバージョン率」なので、「セッション数」もしくは「コンバージョン率」をみることが原因の予測につながります。
まずは「セッション数」が落ちていることが、売上減を引き起こしている場合です。売上減の原因としてもっともスタンダードなのが「セッション数」の下落です。EC事業とは詰まるところ「セッション数をいかに増やすか」のビジネスですから、やはりセッション数が売上減に与える影響が大きくなります。
なぜセッション数が減っているか。大きく3つの観点から原因を探していきます。
元に戻せないか検討する
気にするべき観点は「自然流入」「広告流入」「ソーシャル流入」「その他」の流入です。「流入」とはネットショップへのアクセスのこと。どこからお客様が流れてきているか、その意味で「流入」という表現をします。
「自然流入」によるセッション数の減は以下のようなケースによっておこります。
・Googleの検索システムのアップデート
・自社内での検索にヒットしているコンテンツの変更や削除(倉庫入り)
・自社内のURLの変更
・検索順位やランキングの下落(ショッピングモールの場合)
それまでお客様が流入していた流入元を探し、元のポジションまでページの位置を戻せないかを優先的に検討することが大切です。気づくのが遅ければ遅いほど元の位置に戻すのが難しくなります。
「ボリューム」を気にしよう
「広告流入」によるセッション数の減は以下のケースによっておこります。
・インターネット広告からのCTR(クリック率)が下がっている
・競合ネットショップの広告に負けてしまっている
・広告のそもそもの表示ボリューム、検索ボリュームが減った
同一の広告を出し続けている場合、お客様に飽きられることがあります。ネット広告のクリック率(表示に対してのクリック数)が減れば、セッションは減ります。また、競合のネットショップがセールなどキャンペーンをおこなっていた場合。広告からのセッションが競合に持っていかれる可能性もあります。
もうひとつ注意した方が良いのが、「ボリューム」です。わかりやすいのが季節トレンドです。当たり前ですがアイスクリームは冬より夏の方がニーズが強いわけです。インターネット上の表示や検索の総量(ボリューム)がニーズにより上下します。トレンド性によりセッション数が動く可能性も押さえておいてください。
ソーシャルは偶発的な流入
「ソーシャル流入」によるセッション数の減は以下のケースによっておこります。
・何らかの原因でフォロワーが減っている
・SNS上でネガティブな情報がまわっている
基本的にソーシャル流入はフォロワーがある程度の数あり、ある程度のエンゲージメントがないと流入効果をおよぼしません。ポイントになるフォロワー数が減れば、当然セッション数への影響がでます。ただし、投稿内容の面白さによってはフォロワー数に関係なく、大きな流入を得る可能性があります。しかし、バズってもフォロワー数は簡単に増えないもの。ソーシャル流入はある種の偶発的な流入と考えておいた方が良さそうです。