著者:石田 麻琴

古希のお祝いをインターネットで探したところ・・【no.2058】

 先日、実母が70歳になりまして、家族でお祝いをすることになりました。実姉が箱根のホテルを予約し、私はおんぶにだっこ状態です。しかし実姉から「プレゼントの用意をお願いします」と連絡が。どうしようかと探しました。

「古希 お祝い」と検索する

 その昔、もう12年くらい前だと思いますが実父が還暦をむかえました。当時、父と母は京都で暮らしていまして、我々姉弟は東京。中間地点?の名古屋のホテルで合流し、お祝いをしました。そのときは赤のゴルフウェアをプレゼントしました。ちゃんちゃんこ的な意味合いですね。

 今回は70歳ということで「古希」になります。ただ、古希のプレゼントとしてどのようなものが適切なのかがいまいちわからない。実母も年も年ですし、欲しいものはある程度買ってきたと思います。「子どもの似顔絵」とかにいく手もあるのですが、すでに何度かその手は使いました。

 インターネットで「古希 お祝い」と検索すると、面白いものが目につきました。

検索に合わせた商品企画をする

 Googleのティスプレイ広告に古希のお祝いのポロシャツの画像が出ていました。そのポロシャツは紫色(古希だから紫?)。バックプリントに「70」という背番号。そしてさながらスポーツ選手のようにアルファベットで名前がプリントされています。配送日もお祝いの日の一日前までがちょうど指定可能です。私からのプレゼントはネタ枠としてこれでいいかなと。ポチりまして、5分でプレゼント選びが完了しました。

 インターネットのマーケティングをやられているならばよくご存じのとおりです。リスティング広告のディスプレイに見事にヒットしたパターンです。「古希 お祝い」という検索キーワードに対して、紫色の背番号&名前入りの画像を当てたわけです。おそらく、このポロシャツプリントのネットショップでは「還暦 お祝い」「喜寿 お祝い」などの検索キーワードにも相応の商品を用意しているでしょう。

 こういった「オリジナルプリント」ショップは、検索キーワードに合わせた商品企画ができることが強みです。お客様の「目的」に合わせて商品をつくることができます。そして、実際に商品がなかったとしても、画像を加工すれば様々なパターンを見せることができます。非常にインターネットに向いているビジネスです。

粗利率も販売価格も高い方が有利

 ここで気になるのがリスティング広告の入札単価がいかほどなのかです。当然、インターネット上のオリジナルプリントのショップはここだけではありません。「古希 お祝い」「古希 プレゼント」など、同じ検索キーワードに当てて集客をしている競合がいることでしょう。場合によっては数百円のクリック単価になるかもしれません。

 今回購入したポロシャツの値段は5,000円でした。商品原価が40%ほどと予測すると、粗利は3,000円ということになります。広告を経由したお客様が100%購入することはありえませんから、1受注の獲得単価は千円以上にはなるはずです。いわゆるCPAですね。もしクリック単価が50円ほどで転換率が5%ならば、CPAは1,000円ということになります。ここは我々は知る由もないですから、はたしてどうでしょうか。

 基本的にインターネットでの販売は、「粗利率が高い方が有利」「販売価格が高い方が有利」です。販売価格が安い商品だからといって、広告経由のコンバージョン率が50%になることはありえません。どんなに高く見積もっても10%です。いかに集客にコストをかけることができるか。ここがマーケティング上のポイントになります。

 ちなみにこのポロシャツを妻にみせたところ一言、「絶対、お義母さん、これ着たくないって言いそう・・」とのこと。まあ、あくまでネタ枠ですので、最悪私が着ようと思います。