サービスレベルの低下はお客様に気づかれている。
サービスレベルの低下はお客様に簡単に気づかれます。注意が必要です。そしてお客様がサービスレベルの低下を感じるのはちょっとしたことです。「当たり前のことを当たり前に」やらなくなった瞬間、そこに違和感をもちます。
レスポンスが悪くなるとお客様は気にする
わかりやすいのが「レスポンス」です。メールの返信でも、問い合わせの回答でもレスポンスが悪くなるとサービスレベルの低下を感じます。このレスポンスの「悪く」はレスポンスの内容ではありません。むしろ内容をお客様はあまり気にしていません。レスポンスの「悪く」はスピードです。
たとえばメールの返信です。取引先とのメールでのやり取りをイメージしてみてください。それまではメールで連絡をするとその日中、もしくは翌日に返信をくれていた。しかし、段々と返信の反応が遅くなった。いまでは3日4日待たないと返信がない。場合によっては、こちらから返信を促すケースもある。
実際に金銭(売上)が発生している中で、このような状態は問題があります。お客様はメールの返信のスピードが遅くなると、露骨にサービスレベルの低下を感じます。メールの内容ではないのです。メールの内容のクオリティはそう大きく上下しないでしょう。
連絡もなく遅刻をするとお客様は違和感をもつ
お客様との会議において遅刻をするようになるのもサービスレベルの低下を感じます。どの担当者も取引がスタートした時点ではお客様に迷惑をかけないように気を遣います。会議に遅れないように、余裕をもって駅に着く。数十分前から近くの喫茶店で仕事をする。万が一でも遅れないように工夫をする人も多いでしょう。
段々とお客様との関係に慣れてくると遅刻が発生します。もちろん様々な状況があるわけですから遅刻がとても悪いわけではありません。ただ、遅刻の連絡をお客様にしていたものが、連絡すらせず10分程度遅れるようになる。こういったことも起こります。これも会議のクオリティの上下はあまり感じませんが、遅刻によるサービスレベルの低下はわかりやすく感じるものなのです。
モチベーションでお客様への対応を変えないこと
人はモチベーションが高い状態だと物事をきちんとやります。メールのレスポンスについても、会議の遅刻についてもそうです。ただ、モチベーションが安定し、少々慣れた状態になると途端にゆるんできます。あくまで経験上ですが、3か月後くらいからいわゆる「適当」になります。残念ながらこういったサービスが多いのは事実です。
問題は「自身のモチベーション」によってお客様への対応を変えていることにあります。自分本位の考え方が源泉です。自分本位ではなくお客様本位で考えたとき、サービスレベルの低下を感じるのではないでしょうか。つまり、仕事において大切なのは「客観性」です。
「当たり前のことを当たり前に」継続すること
「当たり前のことを当たり前に」やるのは簡単ではありません。なぜならこの「当たり前」は「自分にとっての当たり前」ではないからです。そして「お客様にとっての当たり前」でもありません。世間一般よりもワンランク上の「当たり前」と考えると、サービスレベルとしては十分でしょう。
「当たり前のことを当たり前に」やればお客様からの信頼はそれだけでついてきます。そして「当たり前のことを当たり前に」やらなくなると信頼はすぐに失墜します。難しく考えるような話、誰もが理解できないような話ではありません。
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