著者:石田 麻琴

毎月当たるプレゼント、毎週当たるプレゼントのヒミツ。後編【no.1950】

 毎月当たるプレゼント、毎週当たるプレゼントのヒミツ。後編(前回のコラムはこちら)

毎月当たるプレゼントのお客様は毎週当たるプレゼントへ

 わたしがオンラインショップ運営者時代にやっていた「毎月当たるプレゼント」と「毎週当たるプレゼント」。その仕組みは、「まずは多くの人が欲しいものでお客様に認知してもらう」こと。そして「残念賞」で自社の商品を「きちんと見て自分で選んでもらう」こと。そして「オンラインショップで使える割引クーポン」を発行して「ヴィトンのバッグ目当てでアクセスしたけど、これくらいの価格でこれくらいのデザインのジュエリーなら買ってみてもいいかな」という流れをつくること。

 毎月当たるプレゼントをおこなうおおまかな流れはこんな感じでした。当然これだけでオンラインショップのお客様になってくれるはずはありません。そこで毎週当たるプレゼントです。毎月当たるプレゼントに応募したお客様は毎週当たるプレゼントに案内をします。この毎週当たるプレゼントの案内は、週2回発行されるメールマガジンにありました。

当時はメールマガジンの発行が「最重要業務」

 週2回発行されるメールマガジンのメインはプレゼントではありません。メールマガジンのコンテンツは「新作商品のご紹介」「売れ筋商品の再入荷・再販売のご紹介」「季節の販促企画のご紹介」。また、商品にかかわらない読み物系のコンテンツも含まれて構成されていました。当時会社ではこのメールマガジンの発行を「最重要業務」のひとつと定義していました。メールマガジン発行の仕事は社長が必ず目をとおし、手を入れていた仕事です。

 毎週当たるプレゼントの案内URLが書いてあるのは、だいたいメールマガジンの最下部。場合によっては、最下部よりも少し中盤よりにあることもありました。毎週当たるプレゼントへのリンクを探すために「少し探さなければいけない」状態です。ここもポイント。毎月当たるプレゼントの応募を経由してきたお客様は、基本的にはオンラインショップの商材であるジュエリーよりもプレゼントに興味がある状態で入ってきます。お客様の利用は「毎月当たるプレゼント➡毎週当たるプレゼント」なのです。

応募する過程で売れ筋・新作のジュエリーを目にする

 ただ、毎週当たるプレゼントに応募する過程で売れ筋・新作のジュエリーを目にすることになります。大切なのは「より魅力的な商品、より面白い販促企画」がお客様の目にちょこちょこ入ってくる機会を何度もつくること。「接触回数」が多くなり、「接触時間」が長くなれば利用の「可能性」が高まります。

 もちろんこれはあくまで「可能性」の話です。プレゼントからやってきたお客様は永遠にプレゼントしか興味がない可能性もあります。ヴィトンのバッグを応募したお客様が永遠に応募しつづける可能性もあるわけです。ただ、なんとかして「ヴィトンのバッグがもらえるなら欲しい」から「ジュエリーもタダなら欲しい」「けっこうかわいいジュエリーもあるのね」。「クーポン割引があるなら買ってみてもいいかな」に少しずつお客様を誘導していく。これがプレゼント企画の開催の意味で、マーケティングにおける「誘導」といえます。

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